顔出しなしでライブ配信を成立させる方法|隠すのではなく、代わりを用意する
顔を出さずに配信したい。この希望はとても多く、そして実際に成立します。ただし「顔を隠す」だけでは足りません。
顔出し配信では、表情や仕草が勝手に情報を運んでくれます。顔を出さないということは、その情報を自分で別の形で用意するということです。この記事では、その具体的なやり方を書きます。
顔出しなしで成立している人は、例外なく「顔の代わりになるもの」を持っています。声、話の中身、アバター、手元、画面。何でも構いませんが、何もない状態で顔だけ隠すと、ただ情報量の少ない配信になります。
顔出しなしの3つのやり方
ひとくちに顔出しなしと言っても、方法によって難しさが変わります。
| 方法 | やること | 向いている人 |
|---|---|---|
| アバター・キャラクター | イラストや3Dのキャラクターを自分の代わりに動かす | キャラクターとして演じるのが楽しい人 |
| 音声のみ | 声だけで配信する。映像を使わない | 準備を最小限にしたい人 |
| 画面・手元を映す | ゲーム画面、作業の手元、風景などを映す | 見せられる作業がある人 |
どのアプリがどれに対応しているかは顔出しなしで配信できるアプリにまとめました。ここでは、選んだあとの実務を扱います。
顔の代わりに何を出すか
いちばん大事な部分です。顔出し配信では、視聴者は無意識に次のような情報を受け取っています。
- いま楽しいのか、困っているのか(表情)
- 話を聞いているのか(うなずき)
- どんな人なのか(雰囲気)
顔を出さない場合、これらを言葉と声で明示する必要があります。慣れるまでは、少しやりすぎなくらいでちょうどいいです。
| 顔出しなら伝わること | 顔出しなしでの代わり |
|---|---|
| 笑っている | 声に出して笑う。「それ面白いですね」と言葉にする |
| うなずいている | 「はい」「なるほど」と相づちを声で入れる |
| 困っている | 「今ちょっと分からなくなりました」と言う |
| 考えている | 「ちょっと考えますね」と宣言する。黙ると停止に見えます |
4行目が特に重要です。顔出しなしの配信で沈黙が起きると、視聴者側からは「止まっているのか、聞こえていないのか」が分かりません。だから、無言になる前に必ず宣言してください。
沈黙を埋める仕組みを持つ
気合いで埋めようとすると疲れます。仕組みで解決してください。
- 実況できる対象を1つ置くゲーム、作業、料理、絵。話すことがなくなったときに戻れる場所を作っておきます。
- 今日話す題材を決めてから開始する「その日あったこと」でも構いません。決まっていないまま開くと、開始5分で苦しくなります。
- 質問を先に用意しておく「最近ハマってるものありますか」など。相手が答えやすい質問を3つ持っておくと、事故が減ります。
- BGMを流せるなら流す無音と、音楽がある無言はまったく別物です。アプリで許可されている範囲で使ってください。
声の準備は、思っているより効く
顔がない配信では、声が本体になります。とはいえ「いい声」を目指す必要はありません。聞き取りやすさだけで十分です。
- マイクを口元に近づける/無料でできて、いちばん効きます。
- 生活音を止める/エアコン、換気扇、冷蔵庫。慣れていると自分では気づきません。一度録音して聞いてみてください。
- 反響を減らす/カーテンを閉める、布のある方向を向く。
- 張り上げない/音量は機材で稼ぎます。喉が保ちます。
機材の選び方は配信機材まとめにまとめました。買い揃えてから始めようとすると、たいてい始まりません。まずスマホで10回配信するほうが先に進みます。
顔を隠しても、漏れるもの
ここを軽く見ると、あとで取り返しがつきません。顔出しなし=安全、ではありません。
| 漏れるもの | どこから |
|---|---|
| 住んでいる地域 | 方言、天気の話、地元の店の話 |
| 勤務先・学校 | 業界の細かい話、時間帯の規則性 |
| 生活パターン | 配信時間、「これから出勤」などの発言 |
| 家の場所 | 窓の外の音、防災無線、電車の音 |
| 本名 | 宅配のインターホン、家族の呼びかけ |
どれも単体では平気に見えるものばかりです。危ないのは積み重ねで、半年分の配信を全部見ている人には、かなりのことが分かります。
話さないと決める項目を、最初にリストにしてください。その場で判断しようとすると、必ず漏れます。会話は速いからです。詳しくは身バレ対策にまとめました。
会社に知られたくない場合
身バレとは別に、勤務先に副業として把握されるかどうかという話があります。こちらは配信の内容ではなく、お金の流れで決まる部分が大きい。
- 顔を隠すことと、税の話は無関係です/顔出しなしでも、収入が出れば同じ扱いです。
- 住民税の徴収方法が関わります/仕組みは副業がバレる仕組みに整理しました。
- 就業規則を先に読む/禁止なのか、申請すれば可なのか。ここを知らないまま始める人が多いです。
顔出しなしのほうが有利なこと
不利な面ばかり書いてきましたが、有利な点もはっきりあります。
- 準備がいらない/髪も化粧も部屋の片付けも不要です。この差は、続けるうえでかなり大きい。
- 体調が見た目に出ない/顔出しだと、疲れた日に開くのが億劫になります。
- 見た目で判断されない/話の中身と声で評価されます。
- 切り抜かれても影響が小さい/顔の画像が出回るリスクがありません。
1行目は軽く見られがちですが、配信が続くかどうかは「開くまでのハードルの低さ」でほぼ決まります。顔出しなしは、そこで有利です。
最初の1ヶ月の進め方
顔出しなしの配信は、始めた直後がいちばん手応えがありません。映像で目を引けないぶん、通りすがりの人が止まりにくいからです。ここで判断すると、ほぼ全員が「向いていない」という結論になります。
- 曜日と時間を決めて、紙に書く週3日で構いません。人が来なくても、決めた時間に開きます。顔出しなしは準備が軽いので、この習慣化が現実的にできます。
- 毎回、話す題材を1つ持ち込む沈黙が「無」になる媒体なので、これが命綱になります。10分で終わっても構いません。
- 入室に必ず反応する「◯◯さん、こんばんは」。顔が見えないぶん、声をかけられたことが唯一の「気づかれた」という手応えになります。
- 配信後に1行だけ振り返る「無言が長かった」「早口だった」程度で十分です。10回たまると自分の癖が見えます。
- 1ヶ月目は数字を見ない動かない時期です。見ても判断材料になりません。
毎回来てくれる人が3人いれば、配信は成立します。顔出しなしは、そこまでの時間が少し長いだけです。そのぶん、いったんついた人は離れにくい傾向があります。
顔を出さないと決めたら、途中で揺らがない
続けていると「顔を出したほうが伸びるのでは」と考える瞬間が必ず来ます。判断そのものは自由ですが、取り消せない選択だという点だけは押さえてください。
| 考えていること | 先に確認すること |
|---|---|
| 顔を出せば伸びそう | 本当に顔が理由か。時間帯や話題の問題ではないか |
| 周りが出しているから | その人たちと同じ土俵で戦う必要があるか |
| 事務所にすすめられた | 断って続けられるか。加入前に確認すべき項目です |
| 一度だけなら大丈夫 | 録画・切り抜きが残ります。一度で十分に「出した」ことになります |
迷っている状態で出すのは、いちばん避けたい形です。迷っているなら、出さないほうが安全です。顔を出さずに続けている人は普通にいます。
プロフィールで補う
顔がないぶん、プロフィール欄の役割が大きくなります。初めて来た人が「どういう配信か」を判断する唯一の材料だからです。
- 何を話す配信かを1行で書く/「雑談」だけでは伝わりません。
- 配信の曜日と時間を書く/通う判断ができるようになります。
- 顔出しなしであることを明記する/期待違いを防げます。聞かれる回数も減ります。
- 身元につながる情報は書かない/地域、職種、年齢。プロフィールは消し忘れやすい場所です。
画面が動かない配信は、「ながら聞き」される前提で組み立てる
音声のみや静止画の配信では、画面から入る情報がほぼゼロになります。ここで「画面が寂しいから何とかしなければ」と考えると、力の入れどころを間違えます。実際の視聴者の多くは、スマホを伏せたり別の作業をしたりしながら、ラジオのように聞いているからです。
画面を見ていない人に向けて話す。これが、画面が動かない配信の基本姿勢です。具体的には次のようになります。
- いま何をしているかを声にする/「コメント読んでますね」「飲み物取ってきます」。画面で伝わらないぶん、自分の状況を実況します。
- コメントは読み上げて返す/文字が画面に出ていても、聞くだけの人には届いていません。読み上げの細かいやり方はコメントの返し方に書きました。
- 入室直後の数十秒、声を切らさない/画面が止まっていて音もないと、通りすがりの人には「放置された配信」に見えます。残るかどうかの判断は、その数十秒で下されます。
そのうえで、動かない画面にも役割はあります。凝った映像にする必要はなく、掲示板として使えば十分です。静止画に「何を話す配信か」「配信の曜日と時間」を文字で入れておくと、音を出せない状況で入ってきた人にも最低限のことが伝わります。
それでも「画面に動きがないのは不安だ」と感じるなら、方式の選び直しも選択肢です。アバター方式なら、声に合わせて画面が勝手に動いてくれます。方式ごとの違いは顔出しなしで配信できるアプリを見てください。
顔を出している配信者とコラボするとき
続けていると、顔出しの配信者と一緒に話す機会が出てきます。ここで多くの人が「画面の中で自分だけ顔がない」ことに気後れしますが、先に構造を押さえてください。視聴者の視線は顔に集まります。つまりコラボ中のあなたは、見られる側ではなく聞かせる側です。不利なのではなく、役割が違うだけです。
役割が違うなら、立ち回りも変わります。
- 相づちを最初に打つ側に回る/表情でうなずけないぶん、声の反応が一拍遅れるだけで「いない人」になります。誰よりも先に声で反応してください。
- 話を回す役を取る/質問を投げる、話を受けて次へつなぐ。画面に映らない人ほど、進行の声で存在が立ちます。
- 「なんで顔出さないんですか」に理由を説明しない/相手のリスナーから、悪気なく聞かれます。「そういうスタイルなんです」と軽く流して次の話題へ。理由を語り始めると、その話題が場に居座ります。
もうひとつ、始まる前の準備があります。コラボでは、あなたの声とやり取りが相手の配信と相手のアーカイブにも乗ります。自分の配信でどれだけ気をつけていても、相手側に残った記録は自分では管理できません。呼び名と、触れてほしくない話題は、始まる前にすり合わせておいてください。何を線の内側に置くかは、身バレ対策で決めた線をそのまま持ち込めば足ります。
コラボは、顔出しなしの配信者にとって数少ない「外から人が流れてくる」機会です。気後れして声が減ると、その機会ごと消えます。声を出す量は、普段の配信より多いくらいでちょうどいいです。
よくある質問
顔出しなしだと伸びにくいですか?
アプリによります。顔出し前提の場では不利ですが、アバターや音声が中心のアプリでは前提が違います。不利な場所で戦わないことが、いちばんの対策です。
途中から顔出しに変えてもいいですか?
可能ですが、戻せません。一度出した映像は残ります。迷っているなら出さないほうが安全です。
声を変えたほうがいいですか?
加工に頼ると聞き取りづらくなり、逆効果になることが多いです。話し方を変えるほうが実用的です。普段と違う一人称や口調にするだけでも、印象は変わります。
家族に聞かれたくありません。
時間帯を、家族が外出している時間に寄せるのが現実的です。深夜に潜めて話すと、音質も内容も悪くなります。
アバターは用意しないとダメですか?
必須ではありません。音声のみでも成立します。まず始めて、続くと決まってから用意しても遅くありません。
事務所に入ると顔出しを求められますか?
方針によります。加入前に「顔出しなしで続けられますか」と明確に聞いてください。あとから言われるのがいちばん困ります。判断材料は事務所の選び方へ。
配信中に宅配が来たらどうすればいいですか?
いったんマイクをミュートしてください。インターホンと応対の声は、名前と住所の手がかりになります。あらかじめミュートの操作を覚えておくと、慌てません。
- 顔を隠すだけでは足りない。顔の代わりになるものを用意する
- 表情の代わりに言葉と声で明示する。考えるときは「考えますね」と宣言
- 沈黙は気合いではなく仕組みで埋める。戻れる題材を1つ置く
- マイクを口元に近づける・生活音を止める。無料でいちばん効く
- 顔を隠しても地域・勤務先・生活音から漏れる。話さない項目を先に決める
- 顔出しなしは開くハードルが低い。続けるうえでこれは大きな利点
アプリ選びは顔出しなしで配信できるアプリ、身元を守る具体策は身バレ対策をどうぞ。
始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。
事務所選びを読む身バレ、確定申告、荒らし、続かない。配信を始めてから出てくる困りごとは、調べても答えが出ないものが多いです。
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