ライバーの副業が会社にバレる仕組み|配信のやり方では防げない部分があります
会社に知られたくない。これを理由に、ライブ配信を始めるかどうか迷っている人はとても多いと思います。
先に結論を書きます。知られる経路は3つあり、そのうち1つは配信のやり方では防げません。顔を出さない、名前を変えるといった対策とは、まったく別の話になります。
ここを混同したまま始めると、対策したつもりで抜けが残ります。
知られる経路は3つ
| 経路 | いつ起きるか | 配信の工夫で防げるか |
|---|---|---|
| 住民税 | 収入が出た翌年 | 防げない |
| 人からの伝聞 | いつでも | ある程度は防げる |
| SNS・検索 | いつでも | 防げる |
多くの人が対策するのは3行目だけです。ところが実際に問題になるのは1行目で、ここは顔出しの有無とまったく関係ありません。
1. 住民税(配信では防げない)
いちばん多い経路がこれです。仕組みを説明します。
住民税は、前年の所得をもとに計算されます。会社員の場合、その額は給与から天引きされる形で会社を経由します。
このとき、給与の額に対して住民税が不自然に多いと、会社の経理担当者が気づく場合があります。「この人、給与以外に収入があるな」と分かるわけです。
この経路は、顔を出さなくても、名前を変えても、匿名で活動していても発生します。配信の中身とは無関係だからです。身バレ対策とは別の対策が必要になります。
対応の方法はありますが、自治体や勤務先の運用によって結果が変わります。一般論で「こうすれば大丈夫」と言い切れる話ではありません。
確実なのは、収入が出た段階で、税務署か自治体の窓口に相談することです。無料で相談できますし、自分の状況に合った説明が受けられます。
2. 人からの伝聞
意外と多いのがこれです。誰かが見つけて、それが伝わります。
- 知人が偶然見つける/同じアプリを使っている人がいれば、可能性はあります。
- SNSの「知り合いかも」で表示される/普段のメールアドレスや電話番号で登録すると起きます。本人はまったく気づけません。
- 自分で誰かに話す/信頼している相手でも、話が広がることはあります。
- 声で気づかれる/顔を出していなくても、知っている人が聞けば分かります。
2つ目が最大のリスクです。対策は単純で、配信用のメールアドレスを新しく作り、SNSの連絡先同期をオフにするだけです。30分で終わります。
くわしくはライバーの身バレ対策にまとめています。
3. SNS・検索
これはいちばん防げる経路です。
- 過去に使った名前を使わない/検索一発でつながります。
- 写真を使い回さない/画像検索で照合されます。
- プライベートのSNSと繋げない/フォロー欄は誰でも見られます。
- 勤務先が分かる情報を出さない/業種・地域・会社の特徴。3つ揃うと絞り込めます。
- 制服や社員証を映さない/バッグやPCのシールも含みます。
「バレたくない」の中身を分けて考える
相談を聞いていると、「バレたくない」の中身は人によってかなり違います。分けて考えると、必要な対策も変わります。
| 気にしていること | 本当のリスク | 効く対策 |
|---|---|---|
| 就業規則に違反したくない | 処分の可能性 | 規則を読む・申請する |
| 同僚に知られたくない | 気まずさ | SNS対策・名前を変える |
| 家族に知られたくない | 反対される | 時間帯と場所を分ける |
| 顔を見られたくない | 特定される | 顔出し不要のアプリを選ぶ |
| なんとなく恥ずかしい | 実害はない | 気にしすぎない |
いちばん下は、実は多いパターンです。禁止されているわけでもなく、実害もないのに、なんとなく後ろめたい。この場合、対策よりも「悪いことをしているわけではない」と整理するほうが効きます。
逆に1行目なら、対策は身バレではなく規則の確認です。目的がずれていると、いくら顔を隠しても不安は消えません。
就業規則を先に確認する
対策の前に、そもそも自分の会社がどうなっているかを確認してください。禁止されていない場合もあります。
| 就業規則の状態 | 意味 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 副業禁止と明記 | 知られたときに問題になり得る | リスクを理解したうえで判断する |
| 許可制 | 申請すれば可能 | 申請を検討する |
| 記載がない | 明確な禁止ではない | 過度に恐れる必要は薄い |
| 条件付き | 業種や時間の制限がある | 条件を確認する |
意外と、調べてみたら禁止されていなかったというケースはあります。恐れて何もしないより、まず読んでみるほうが早いです。
許可制なら、申請してしまえば隠す必要そのものがなくなります。隠し続けるストレスから解放されるという意味では、いちばん楽な道です。
アプリ選びでも変わります
意外と見落とされますが、どのアプリを選ぶかでも、知られる可能性は変わります。
| アプリの性格 | 知られやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 顔出しが前提 | 高い | 知人が見れば一目で分かる |
| アバター・イラスト | 低い | 顔が映らない |
| 音声のみ | 中くらい | 顔は映らないが声で分かる |
| SNS連動型 | 高い | 既存のアカウントと繋がる |
4行目は要注意です。すでに持っているSNSのアカウントで配信するタイプのサービスは、過去の投稿ごと見られることになります。分けたいなら、独立したアプリを選ぶほうが安全です。
顔出しを避けられるアプリは顔出しなしで配信できるアプリにまとめています。
金額が小さいうちは
住民税の経路は、収入がある程度の規模になってから効いてきます。逆に言えば、収入がごく小さい段階では、そこまで神経質になる必要はありません。
ただし、小さくても記録は残しておいてください。領収書と、配信用の銀行口座。これがあるだけで、あとの手続きが楽になります。
税金まわりの考え方はライバーの確定申告にまとめています。金額の基準は改正で変わるので、その年の情報を確認してください。
知られてしまったとき
可能性はゼロにできないので、そのときの考え方も書いておきます。
- 慌てて配信をやめないまず何が知られたのか、誰が知っているのかを確認します。憶測で動くと、かえって広がります。
- 就業規則を確認する実際に問題になるのかを、規定で確認します。「なんとなく怒られそう」と実際の規定は違います。
- 聞かれたら事実を答える取り繕うと、後で大きくなります。違法なことをしているわけではありません。
- 必要なら申請する許可制なら、その場で申請すれば解決することもあります。
大事なのは、ライブ配信そのものは、やましい活動ではないということです。隠したい理由は人それぞれですが、後ろめたく思う必要はありません。
始める前に決めておくと安心なこと
不安を抱えたまま始めると、配信そのものを楽しめません。先に整理しておくと軽くなります。
- 就業規則を読むまずこれです。禁止なのか、許可制なのか、記載がないのか。ここが分かるだけで、必要な対策が決まります。5分で終わります。
- 身バレ対策を済ませる配信用のメールアドレス、SNSの連絡先同期オフ、新しい名前、新しい写真。30分で終わります。
- 領収書と口座を分ける収入が出たときに慌てないための準備です。まだゼロでも今日できます。
- どこまで許容するか決めておく「知られたらやめる」のか「知られても続ける」のか。先に決めておくと、途中で揺れません。
4つ目が意外と大事です。決めていないと、些細なことで不安になって配信が手につかなくなります。最悪の場合をあらかじめ受け入れておくほうが、結果的に落ち着いて続けられます。
就業規則を先に読む
仕組みの話の前に、そもそも自分の会社がどう定めているかを確認してください。ここを知らないまま心配している人がとても多い。
- 全面禁止なのか/禁止と書かれていても、実際の運用は会社によります。
- 許可制なのか/申請すれば認められる形が増えています。
- 制限の条件は何か/同業他社は不可、本業に支障がなければ可、など。
- どこに書いてあるか/就業規則は、閲覧できる状態にあるのが原則です。
読んだうえで判断するのと、想像で怯えるのとでは、まったく違います。禁止されていない会社も普通にあります。
就業規則で「副業」という言葉を探さない
就業規則を読もうとして、多くの人が同じところでつまずきます。目次を見ても、「副業」という見出しがどこにもないのです。
規則の中では、別の言葉で書かれているのが普通だからです。次のあたりを探してください。
- 兼業・兼職/条文では「副業」よりこちらの表記が主流です。まずこの2語で探します。
- 自営・他の会社への従事/自分で事業を営む場合と、他社に雇われる場合を分けて書く形もあります。配信がどちらとして読まれるのかも意識してください。
- 服務・遵守事項の章/独立した章ではなく、服務規律の一項目として置かれていることが多いです。
- 別の規程/本体には短く書き、「兼業規程」のような別文書に詳細を切り出している会社もあります。本体だけ読んで「書いていない」と判断しないでください。
見つけたら、次は語尾を確認します。「してはならない」なのか、「許可を得たときは」なのか、「届け出るものとする」なのか。許可制は会社の判断をはさむ形、届出制は知らせることが求められている形で、同じ「制限あり」でも意味が違います。どの形かで、次に取る行動が変わります。
それでも見つからないときは、社内ポータルや入社時の書類に規則の置き場所が案内されていないかを見て、なければ人事や総務に「就業規則を確認したい」と伝えます。理由まで添える必要はなく、この一言で足ります。
「バレたらどうなるか」に、全社共通の答えはない
検索すると、重い処分を受けた話から、何も起きなかった話まで、両極端の体験談が出てきます。どちらも嘘ではないのだと思います。ただ、どちらもあなたの答えにはなりません。
就業規則は会社ごとの定めで、運用にも会社ごとの幅があります。同じ「禁止」の二文字でも、扱いが同じとは限りません。一般に、扱いを左右すると言われるのは次のような点です。
| 見られる点 | 意味 |
|---|---|
| 本業への影響 | 遅刻や勤務中の眠気など、仕事に支障が出ていたか |
| 会社との関係 | 同業での活動か、会社の信用に関わる内容か |
| 経緯 | 自分から相談したのか、隠していて見つかったのか |
| 規則の書き方 | 禁止か、許可制か、届出制か、記載がないか |
3行目に注目してください。同じ活動でも、会社がどういう経緯で知ったかによって、受け止められ方が変わり得ます。つまり、隠し通せるかどうかを競うより、経緯を自分で選べるうちに動くほうが、打てる手が多いということです。
処分があるのか、どの程度なのかを、この記事が予測することはできません。規則も運用も会社ごとに違うからです。心配なときは、まず自分の会社の就業規則を読み、判断がつかなければ人事や総務に確認してください。すでに何らかの話が始まっていて、自分だけで対応するのが難しいときは、国や自治体が設けている労働相談の窓口を無料で利用できます。
同居している家族、特に親に気づかれる経路と、隠すより現実的な伝え方はライバーの親バレに分けて書いています。
会社の制度ではなく、同僚や上司という「人」から見つかる経路はライバーは職場にバレる?で整理しています。
地域→街→建物と絞り込まれていく経路と、その前に塞ぐ方法はライバーの住所はバレるのかに分けています。
よくある質問
顔を出さなければ大丈夫ですか?
住民税の経路には効きません。顔出しの有無とは無関係だからです。「顔を出さない=バレない」は誤解です。
収入が少なければ問題ありませんか?
住民税の経路は、金額が小さいうちは目立ちません。ただし基準は改正で変わるので、収入が出始めたら一度確認してください。
確定申告しなければバレませんか?
申告が必要な状態で行わないのは、別の問題を生みます。金額が小さいうちに整えておくほうが、結果的に負担は軽くなります。
パート・アルバイトの場合は?
同じ経路が発生します。勤務先の規定を確認してください。学生の場合は扶養の関係も出てくるので、早めに調べておくと安心です。
事務所に入ると、会社に知られやすくなりますか?
所属者として公式サイトやSNSに掲載される場合があります。掲載されたくない場合は、加入前にその旨を伝えてください。対応してもらえることが多いです。
同僚に見つかったらどうすれば?
まず、その人が広めるかどうかは分かりません。慌てて言い訳するより、普通に接するほうが波風が立ちません。広まった場合は、就業規則を確認して落ち着いて対応してください。
少額でも申告は必要ですか?
立場によって基準が違います。会社員は20万円、給与がない人は95万円が目安ですが、住民税は別の話です。確定申告はいくらからに整理しました。
- 知られる経路は3つ。住民税だけは配信の工夫では防げない
- 顔を出さない・名前を変える、は3つ目の経路にしか効かない
- 2つ目で多いのはSNSの「知り合いかも」。連絡先同期をオフにする
- まず就業規則を読む。禁止されていない、許可制、というケースもある
- 許可制なら申請してしまうほうが、隠すストレスから解放される
- 知られても慌てない。ライブ配信はやましい活動ではない
配信側の対策は身バレ対策、税金の考え方は確定申告にまとめています。仕組みを踏まえて実際に何をするかは、始める前・運用中・お金が動いたとき・知られたときの順に並べた会社にバレたくない人の行動リストで確認できます。
始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。
事務所選びを読む身バレ、確定申告、荒らし、続かない。配信を始めてから出てくる困りごとは、調べても答えが出ないものが多いです。
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