ライバーのスカウトの見分け方|相手が実在するか、自分で調べて確かめる方法
「スカウトです」というメッセージが届いたとき、いちばん困るのは、相手の言っていることを確かめる方法が分からないことだと思います。文面は丁寧で、条件も悪くなさそうに見える。でも、この人が本当に名乗っている通りの相手なのかは、画面の中だけでは分かりません。
疑いきれず、かといって信じきれず、返事を保留したまま何日も経ってしまう。その宙ぶらりんの状態が、いちばん疲れます。
この記事では、相手が何者なのかを、自分の手で調べて確かめる方法だけをまとめます。届いたDMにどう対応するかの手順はスカウトDMが来たらに、よくある手口の一覧は悪質な事務所の手口に分けてあるので、そちらと組み合わせて使ってください。
調べる目的は、白か黒かをその場で当てることではありません。相手に質問するための材料を集めることです。調べて分かった事実をもとに質問すると、答え方に相手の実体が出ます。順番は、会社→アプリ→人、の3段階です。
まず、名乗っている会社を調べる
最初にやるのは、名乗っている名前での検索です。ここでひとつ知っておきたいのは、事務所の名前と、それを運営する会社の名前は、別のことがあるという点です。事務所名で調べて出てこなくても、運営会社名では出てくることがあります。逆もあります。分かっている名前は、両方とも検索してください。
- 会社名・事務所名で検索する公式サイトが見つかるかを見ます。SNSのアカウントしか出てこない場合、この時点では材料が足りていません。
- 会社概要のページまで進むサイトがあったら、トップページの印象で止めずに、会社概要まで見ます。住所と代表者名が書かれているか。運営会社の名前は何か。ここが書かれていないサイトは、見た目が整っていても、連絡先が個人アカウントだけの相手と同じ扱いで構いません。
- 法人として実在するかを確かめる国税庁が運営する「法人番号公表サイト」では、登録されている法人の名称と所在地を、誰でも無料で調べられます。場所と使い方は「法人番号公表サイト」で検索して確認してください。見るのは、名乗っている会社名の法人が見つかるか、その所在地がサイトの表記と合っているか、の2点です。
検索のコツもひとつ。会社名だけで出てこないときは、会社名に「会社概要」や「採用」などの言葉を足してみてください。サイトの下層ページだけが引っかかることがあります。また、会社概要に書かれていた住所を地図で検索してみると、表記の通りの場所かどうかが分かります。住所の場所そのものに良し悪しはありませんが、書かれている情報同士が食い違っていないかは、確認する意味があります。
法人の登録が見つかっても、分かるのは「その名前の会社が実在する」という事実だけです。実在することと、まっとうであることは別です。「登録されていたから大丈夫」という使い方はしないでください。ここで確かめているのは安全ではなく、話の前提が事実かどうかです。
そもそも事務所がどういう仕組みで成り立っているかが分からないと、調べた情報の意味も取りにくくなります。初めてなら、先にライバー事務所とはを読んでおくと、この後の確認がやりやすくなります。
アプリの公式情報と照らす
配信アプリの中には、提携している事務所の一覧を公式サイトなどで公開しているものがあります。名乗っている事務所がそこに載っているかどうかは、確かめる価値があります。
ただし、一覧があるかどうか、どこに載っているかは、アプリによって違います。「どこかに必ずあるはず」と探し回る必要はありません。自分が使っているアプリ、あるいは相手が勧めてくるアプリの公式サイトやヘルプで、そうした一覧の有無をまず確認してください。
- 一覧に載っていた/少なくとも、そのアプリと関係のある事務所だと分かります。確かな材料がひとつ増えます。
- 一覧に載っていなかった/それだけで悪いとは言えません。一覧がすべての事務所を載せているとは限らないからです。
- 「公式パートナー」を名乗っている/その呼び方がアプリの公式な制度なのかどうかも、アプリ側の情報で確かめられます。
また、アプリの運営が「スカウトを名乗る連絡」について注意喚起のお知らせを出していることもあります。アプリ名と「スカウト」で公式のお知らせを検索してみると、そのアプリでの扱われ方が分かります。一覧そのものが無いアプリなら、この確認は飛ばして次に進んで構いません。無いことは、相手の評価とは関係がないからです。
人を調べる──担当者と、所属ライバー
会社の次は、人です。会社が実在していても、連絡してきた人が本当にその会社の人だとは限りません。
- 担当者のアカウントを見るいつ作られたアカウントか。できたばかりで、投稿がスカウトの送信だけなら、材料としては弱いままです。ふだん何を発信しているか、事務所の公式アカウントとつながっているか、名乗っている肩書きとプロフィールの内容が合っているかも見てください。
- 所属ライバーが実在するかを調べる公式サイトに載っている所属者の名前を、アプリ内で検索します。載っている名前がアプリで見つからないなら、その一覧はいま機能していません。
- 実際に配信を見に行くここまでの中で、いちばん確実な確認です。所属していると書かれている人の配信を、短い時間でいいので実際に見てください。配信がいま行われていることは、画面の外で確かめられる数少ない事実です。配信の頻度や枠の様子から、その事務所が現在も動いているかどうかも見えてきます。
配信を見に行くときは、できれば1人ではなく、2〜3人を見てください。1人だけだと、たまたまその人が休んでいる時期かもしれません。複数の所属者が同じ時期に配信しているなら、事務所として動いている可能性は高くなりますし、逆に、載っている全員の配信が同じ頃に止まっているなら、その一覧は過去のものだと考えられます。
配信はただ見るだけで構いません。コメントもフォローも不要です。「調べるために見る」ことに後ろめたさを感じる必要はありません。公開されているものを見るのは、当然の確認です。
もうひとつ、よく知られた事務所と似た名前を名乗る形もあります。名前が同じに見えても、サイトのドメインや公式アカウントが、検索で出てくる本体のものと一致しているかまで確かめてください。担当者の名前と事務所名を組み合わせて検索してみるのも、材料が増えることがあります。
ここまで読んで、自分のケースが判断できないと感じたら、LINEで聞いてください。
LINEで相談する調べても、何も出てこなかったとき
ひと通り調べたのに、公式サイトも、法人の登録も、所属者の配信も見つからない。この状態の扱い方を、先に決めておきましょう。
まず、「出てこない=悪質」とは言い切れません。できたばかりの会社かもしれませんし、名前の表記が違っていて検索に引っかからなかっただけかもしれません。「無い」と結論する前に、ひらがな・カタカナ・英語表記の違いや、略称ではなく正式名称での再検索を試してください。
それでも出てこないなら、動かない事実がひとつ残ります。いま自分の手元に、判断材料が無いということです。相手が悪いかどうかとは別の話として、材料が無い状態で契約の話は進められません。
- 材料は相手に出してもらう/「運営会社の正式名称と所在地を教えていただけますか」。調べ直すために必要な、当然の質問です。
- 出てくるまで話を進めない/はぐらかされる、別の話にすり替わる。そうなったら、「材料が出てこなかった」という事実だけを持って離れて構いません。
- 不安が残るなら窓口へ/怪しいかどうかを自分で判定する必要はありません。契約に関する不安は、消費生活センターに無料で相談できます。
相手が「できたばかりの会社です」と説明してきた場合も、確認できるものはあります。新しい会社でも、法人の登録と代表者の名前は最初からありますし、条件を書面で出すことに新しさは関係ありません。実績の代わりに「これから」の話しか出てこないなら、いま確認できる事実を出してもらってください。それが出てくるかどうかは、会社の新旧と関係なく確かめられます。
材料が揃うのを待つあいだも、配信は今日から続けられます。そもそも事務所に入るかどうか自体を迷い始めたなら、個人と事務所の比較で一度立ち止まるのも手です。
調べた結果を、質問に変える
調べ終わったら、その結果を「白か黒か」の判定に使うのではなく、相手への質問に変えます。事実を確かめる質問には、まっとうな相手なら普通に答えられるからです。
| 調べて分かったこと | そのまま聞けること |
|---|---|
| 法人の登録が確認できなかった | 「運営会社の正式名称と所在地を教えてください」 |
| サイトに所属ライバーの一覧がない | 「所属されている方を、何名か教えていただけますか」 |
| アプリの公式一覧に見当たらない | 「このアプリとは、どういう関係ですか」 |
| 担当者のアカウントが最近できたもの | 「公式の窓口はどちらになりますか」 |
| 所属者の配信が見つからない | 「みなさん、どのアプリで配信されていますか」 |
特に1行目は、答えられない理由がない質問です。答えの中身より、答え方が判断材料になります。すぐに具体的な答えが返ってくるか、話がそれるか。ここまで自分で調べた材料があるからこそ、返ってきた答えが事実かどうかも、また自分で確かめられます。
調べて分かったことは、簡単でいいのでメモにまとめておくのがおすすめです。「サイトあり・住所と代表者名あり・法人登録あり・所属者2名の配信を確認」のような1枚があると、質問もしやすく、あとで誰かに相談するときにも、状況を最初から説明せずに済みます。
質問への答えが揃って、話を進めることにしたら、次は条件を書面でもらう段階です。もらった書面の読み方は契約書の見方に、専属の条項が入っていた場合の考え方は専属契約にまとめています。会って話すことになったら、事務所の選び方の質問リストがそのまま使えます。
よくある質問
法人番号公表サイトに載っていれば、安心していいですか?
いいえ。載っていることは「その名前の法人が実在する」という記録であって、安全の保証ではありません。実在の確認は入口です。判断は、質問への答え方と、書面で出てきた条件の中身で行ってください。
会社名を聞いても、教えてもらえません。
名乗らない相手を調べる方法はありません。会社名が出てこない時点で、判断材料はゼロのままです。材料が出ない事実だけで、話を進めない判断をして構いません。
調べていることは、相手に伝えるべきですか?
伝える義務も、隠す必要もありません。まっとうな事務所は、調べられて困ることがありません。「確認してからお返事します」と伝えて嫌がられるなら、それ自体が判断材料のひとつになります。
よく知られた事務所の名前で連絡が来ました。本物か確かめられますか?
名前は誰でも名乗れます。確かめるなら、検索で出てくる公式サイトに載っている窓口へ、こちらから問い合わせてください。届いたDMの中に書かれた連絡先ではなく、公式サイト側の窓口を使うのがポイントです。確認が取れるまで、個人情報は送らないでください。
- 調べる順番は会社→アプリ→人。まず名乗っている会社名で検索する
- 法人として実在するかは、国税庁の「法人番号公表サイト」で調べられる
- 実在の確認は、安全の保証ではない。前提が事実かどうかの確認と割り切る
- アプリ公式の事務所一覧は、あるかどうかがアプリごとに違う。公式で確認する
- いちばん確実なのは、所属ライバーの配信を実際に見に行くこと
- 何も出てこない=悪ではない。ただし判断材料が無いことは事実として扱い、質問に変える
調べたうえで、届いたメッセージにどう返すかはスカウトDMが来たらへ。実際にある手口を知っておきたい場合は悪質な事務所の手口をどうぞ。
始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。
事務所選びを読むスカウトDMが来た、契約書を渡された、やめたいのに話が進まない。こういうときは、その場で決めないことがいちばん効きます。判断に困ったら聞いてください。
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