ライバーの確定申告はいくらから?会社員・学生・配信だけの人の基準
この記事の内容(11項目)
ライブ配信の収入で確定申告が要るかどうかは、振込額ではなく収入から経費を引いた「所得」で決まり、比べる基準は立場で変わります。
会社員やアルバイトなど給与を受け取っている人は、年末調整を受けていて給与以外の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります(国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」)。給与の額などによる例外も同じページに書かれています。給与を受け取っていない配信だけの人は、所得が基礎控除などの所得控除の合計を超えて所得税が出るときに、確定申告が必要です。
どちらの場合も、所得税の確定申告が要らなくても、市区町村への住民税の申告は別に必要になることがあります。
判定に使うのは振込額ではなく、収入から経費を引いた所得です
| 言葉 | 中身 |
|---|---|
| 収入 | 1年分(1月〜12月)の報酬額の合計。源泉徴収で差し引かれる前の額で、口座に入った額ではない |
| 経費 | 配信のために使ったお金(マイク、通信費のうち配信の分など) |
| 所得 | 収入 − 経費。申告が要るかはこちらで見る |
3行目が判定の数字です。振込の合計が基準を少し超えていても、経費を引いた所得が基準以下なら結論は変わります。だから、配信用に買ったものの領収書は、収入がまだ無い時期のものから残してください。
もうひとつ、「今年いくら稼いだか」と言うとき、人によって見ている数字が違います。アプリ内のポイントやダイヤの表示、換金を申請した額、口座に入った額の3つです。手数料が引かれる前か後かでも額がずれます。申告の集計では、報酬額と差し引かれた額が分かる明細、換金を申請した日と額、口座に入った日と額を並べて残しておくと、税務署で「どの数字で数えるのか」を聞いたときに、その場で自分のケースの答えが出ます。
あなたの立場では、どの基準を見るか
確定申告が要るかの分かれ道
- 給与(会社・アルバイト・パート)を受け取っているか
- 受け取っている会社員や、アルバイトをしている学生。給与以外の所得の合計で見る
- 受け取っていない配信だけの人、給与の無い学生や主婦(主夫)。所得を基礎控除などと比べる
- 家族の扶養に入っている上の判定とは別に、家族の扶養控除と社会保険の扶養の基準がある
| 立場 | 確定申告の判断 |
|---|---|
| 会社員(給与1か所・年末調整あり) | 原則として、給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要(例外あり) |
| アルバイトをしている学生・主婦(主夫) | 給与を受け取っているので、給与以外の所得が20万円を超えるかが確定申告の目安。給与と配信を合わせても所得税がかからない範囲かは別に確認する |
| 配信だけの人(給与なし) | 所得が基礎控除などの所得控除の合計を超え、所得税が出るなら必要 |
| 家族の扶養に入っている人 | 申告とは別に、家族の扶養控除の要件(合計所得。配偶者なら配偶者控除などの要件)と社会保険の扶養を確かめる |
1行目と2行目の20万円は、給与を受け取っている人の確定申告の基準です。給与が無い人には当てはまりません。給与の額などによってはこの20万円の基準に例外があるので、ぎりぎりの人は税務署で確かめてください。
家族の扶養に入っている学生や主婦(主夫)が見る基準は、扶養から外れるのはいくらからかで、本人の所得税・家族の扶養控除・社会保険の扶養に分けて書いています。
年分で数字が違う:令和7年分と令和8年分・令和9年分
所得税の基準は、2026年(令和8年)の収入から変わりました。何年の収入についての申告かで、使う数字が違います。
| 項目 | 2025年の収入 | 2026年・2027年の収入 |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得132万円以下) | 令和7年分は95万円 | 令和8年分・令和9年分は104万円 |
| 基礎控除(合計所得132万円超〜336万円以下) | 令和7年分は88万円 | 令和8年分・令和9年分は104万円(合計所得489万円以下まで同じ) |
| 給与所得控除の最低額 | 令和7年分は65万円 | 令和8年分・令和9年分は74万円 |
| 扶養親族(配偶者以外)の合計所得の要件 | 令和7年分は58万円以下 | 令和8年分・令和9年分は62万円以下。配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除の要件が別 |
| 給与を受け取っている人の確定申告の目安 | 原則として、給与以外の所得が20万円を超えたら確定申告が必要。例外あり(令和7年分も令和8年分・令和9年分も同じ) | |
出典は国税庁の「基礎控除」、「給与所得控除」、「扶養控除」、「給与所得者で確定申告が必要な人」です。令和8年分の金額は、令和8年12月1日施行の改正によるもので、令和8年分と令和9年分に適用されます。
基礎控除は合計所得の帯で変わり、表より上の帯もあります。給与所得控除は給与にだけ引かれるもので、給与として受け取っていない配信の収入には無く、代わりに経費を引きます。アルバイトなら税がかからない額でも、配信の収入なら同じとは限りません。
所得税の申告が不要でも、住民税の申告が要ることがあります
住民税は所得税とは別の税で、申告先は税務署ではなくお住まいの市区町村です。給与を受け取っていて配信の所得が20万円以下のため所得税の確定申告をしない人も、住民税の申告は必要になることがあります。
確定申告をした人は、その内容が市区町村に回るので、住民税の申告を別に出すことは通常ありません。確定申告をしない年に、市区町村の案内を見て住民税の申告が要るかを確かめる、と覚えておけば漏れません。手続きの名前や期限は自治体ごとに案内が出ています。
住民税は会社員の場合、給与から天引きされます。会社に配信の収入を知られる経路と、その防ぎ方は副業が会社にバレる経路にまとめています。
判定の手順:1年分を5つの段階で集計する
- 1年分の入金を合計する1月から12月まで。アプリが複数あるなら全部足します。判定はアプリごとではなく合計です。
- 手数料と源泉徴収を確かめる事務所の手数料が引かれた後の額か、源泉徴収が差し引かれた後の額か。明細で、引かれる前の額を確かめます。
- 経費を集計する配信に使った分だけ。スマホ代のように生活と共用のものは、配信に使った割合で分けます。
- 収入 − 経費 = 所得を出すこの数字を、上の表の自分の立場の基準と比べます。
- 申告しない場合も住民税を確かめる市区町村の案内で、住民税の申告が要るかを見ます。
源泉徴収は所得税の前払いです。Pococha・17LIVE・IRIAM・REALITYは公式の案内や規約で源泉徴収を差し引くとしていて、ふわっちやColorSingのように公式に記載が無いアプリもあります。引かれていても、申告が要るかの判定は別に行います。申告すると、納めすぎた分が戻ることもあります。
年をまたぐ入金は、どちらの年に入れるかを先に確かめる
判定は1月〜12月で区切ります。基準の近くにいる人ほど、年末年始の入金をどちらの年に入れるかで結論が変わります。配信でずれが起きやすいのは次の3つです。
- 12月の配信分が1月に振り込まれる/締め日と支払日の関係で、配信した年とお金が動いた年がずれます。
- 年末イベントの報酬が年明けに確定する/数字が固まるのが翌年になります。
- 換金申請が年内、着金が年明け/自分の操作のタイミングでもずれます。
どちらの年に数えるかは、収入の性質や契約の形で扱いが変わります。都合のいい年を選ばず、12月と1月の明細に「何月の配信分か」を書き添えて保存し、その材料を持って税務署で確かめてください。
経費にできるもの:配信のために使ったと説明できるか
| 支出 | 考え方 |
|---|---|
| マイク・イヤホン・照明 | 配信専用なら経費に入れられる。私用と兼ねるなら割合で分ける。金額が大きい機材は、その年に全額を引けない場合がある |
| スマホ・パソコン・通信費 | 配信に使った割合で分ける |
| 衣装・メイク用品 | 配信専用と説明できるもの。普段も使うものは認められにくい |
| イラスト・背景の依頼費 | キャラクター配信のための依頼なら説明しやすい |
| 電気代・家賃 | 配信に使った割合。割合の根拠を説明できること |
| 事務所の手数料 | 差し引かれている場合は、明細で額を確かめる |
2行目と5行目のように生活と混ざっているものは、混ざったまま全部は引けません。配信した日と時間を記録しておくと、分ける割合の根拠になります。品目ごとの判断と記録の残し方はライバーの経費にあります。
記録は次の4つを、収入がゼロの時期から始めておくと、年末の作業が集計だけで終わります。
- 配信用の銀行口座を分ける/入金と配信の支出が1か所に集まり、集計が通帳を見るだけになります。
- レシートは月ごとの封筒に入れる/整理はあとでよく、捨てないことだけ守ります。
- 通販は購入履歴の画面を保存する/アカウントが消えると履歴も消えます。
- 振込明細を月1回保存する/アプリ内の履歴は、さかのぼれる期間に限りがあることがあります。
開業届と青色申告は、期限を知ったうえで決める
開業届を出しただけで事業所得に決まるわけではありません。開業届と青色申告の承認申請は別の手続きで、青色申告は帳簿をきちんとつける手間が増えます。青色申告の承認申請には期限があるので、検討するなら早めに期限を確かめてください。始めたばかりで収入が少ないうちに出すかどうかは、手間と見合うかで決めます。違いは開業届は必要かと青色申告が手間に見合う人に分けて書いています。
事務所に入っていても、確定申告は本人がします
事務所からの支払いが給与か業務委託の報酬かで、年末調整と確定申告の扱いが変わります。契約書で確かめてください。業務委託なら年末調整はなく、本人が申告します。所属の前後で、次の3つを確かめておくと集計で困りません。
- 手数料を引いた後の額が入るか/引く前の額と手数料が分かる明細が出るかを聞きます。
- 支払調書などの書類が出るか/出るなら保管し、出ないなら自分で入金の記録を残します。
- 「税金の相談に乗る」の中身/相談に乗るのと、申告を代わりにするのは別です。申告の代行は税理士の資格が要る業務なので、「税金は事務所がやる」と言われたら中身を聞いてください。
事務所から登録番号を聞かれたときはインボイスの登録番号を聞かれたときの考え方を、契約前に聞くことは事務所の選び方を見てください。
申告する日にやること
当日の作業は、その場での計算ではなく、集計した数字を画面の案内に沿って入れていくことです。税額は自動で計算されます。オンラインで進める場合はこの順です。
- 集計を手元に置く1年分の収入の合計と経費の合計。給与がある人は源泉徴収票も。
- 国税庁の申告書作成の画面を開く入口や利用の条件はその年の国税庁の案内から入ります。
- 質問に答えながら入力する給与があるか、配信の収入と経費はいくらか。聞かれた順に答えます。
- 本人確認をして送信するマイナンバーカードが無くても申告はでき、書面での提出もできます。
- 納付する、または還付を待つ源泉徴収で納めすぎていた分は戻ってきます。
申告の時期には、教わりながら入力できる相談会も開かれます。初めての年は相談会で一度通し、翌年から自宅でやる順番でも構いません。
| つまずき | その場での対処 |
|---|---|
| 領収書が見つからない | 購入履歴や銀行・カードの明細で説明できる場合がある。税務署に相談する |
| 数字が合わない | 合わないまま送信しない。配信用口座の入出金と1件ずつ突き合わせる |
| 画面の言葉が分からない | 申告の時期は電話の相談窓口が案内される |
| 期限を過ぎた | 過ぎてからでも申告はできる。気づいた時点で税務署へ |
4行目を飛ばさないでください。申告が漏れると、本来の税額に加えて加算税や延滞税がかかることがあります。気づいた時点で税務署に相談し、自分から期限後に申告すると、負担が軽く済む場合があります。アプリから支払われたお金は支払った側の帳簿に残るので、黙っていれば分からない、という前提は成り立ちません。
よくある質問
赤字でも申告したほうがいいですか?
事業として行っている人は、赤字を申告しておくことで意味が出る場合があります。自分が当てはまるかは、税務署で無料で聞けます。
学生なら申告しなくていいですか?
学生かどうかで免除はされません。アルバイトの給与があるかどうかで、上の表のどの行かが決まります。親の扶養に入っているなら、親の扶養控除の要件も同時に確かめてください。
アプリ内に残っているポイントも収入ですか?
まだ換金していない残高の扱いは、アプリの仕組みや契約で変わります。残高の画面と換金の履歴を保存して、税務署で自分のケースを聞いてください。
現金や物で受け取った分は?
受け取り方が違っても収入です。受け取った日と額を、ほかの入金と同じように記録します。
住民税の申告はどこでしますか?
お住まいの市区町村です。税務署ではありません。窓口か自治体のサイトで、手続きの名前と期限を確かめてください。
相談先は、所得税は税務署(無料)、住民税は市区町村の窓口です。収入が大きくなってきたら税理士も選択肢に入ります。その年の最新の金額は国税庁の案内で確認してください。
身バレ、確定申告、荒らし、続かない。配信を始めてから出てくる困りごとは、調べても答えが出ないものが多いです。
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