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ライバーの確定申告|何が経費になるか、いつから必要かを仕組みから整理しました

公開 2026.08.09読了 約8分監修:現役ボイストレーナー

配信の収入が出始めると、必ずぶつかるのが税金の話です。ところがここは、ネット上の情報がいちばん当てにならない領域でもあります。

理由は単純で、金額の基準は制度改正で変わるからです。数年前の記事に書かれている数字をそのまま信じると、間違えます。

そこでこの記事では、金額を並べる代わりに「仕組み」と「何を準備しておくか」を書きます。仕組みが分かっていれば、その年の正しい数字を自分で確認できます。

この記事の方針

控除額や申告が必要になる金額の基準は、年によって変わります。当サイトでは具体的な金額を書きません。実際の数字は、必ず国税庁の案内か税務署、税理士に確認してください。ここでは変わりにくい考え方だけを扱います。

まず前提:配信の収入は「給与」ではありません

ここを間違えている人がとても多いので、最初に書きます。

アルバイトやパートの収入は給与です。会社が計算して、税金を天引きして、年末調整までしてくれます。自分では何もしなくても完結します。

配信の収入は違います。多くの場合、雑所得か事業所得として扱われます。誰も代わりに計算してくれません。

アルバイト(給与)配信の収入
誰が計算するか勤務先自分
経費引けない引ける
税金の天引きある基本的にない
年末調整してもらえるない
基準になる金額給与の額収入から経費を引いた額

最後の行が実務上いちばん重要です。配信では「いくら入ったか」ではなく「いくら入って、いくら使ったか」で判断します。経費を引いた残りが基準になります。

申告が必要かどうかは、2つの条件で決まります

細かい金額は変わりますが、判断の枠組みは変わりません。見るのは次の2つです。

  1. 会社やアルバイトの給与があるかどうか給与をもらっている人と、配信だけの人とでは基準が変わります。まず自分がどちらかを確認します。
  2. 収入から経費を引いた額がいくらかここが基準を超えるかどうかで決まります。基準の金額はその年の最新情報を確認してください。
見落とされがちな点

所得税の申告が不要だった場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。「申告しなくていい」と書かれた情報の多くは所得税の話だけをしています。お住まいの自治体の案内も確認してください。

経費にできるもの

配信のために使ったお金は、経費として引ける可能性があります。代表的なものを挙げます。

もの考え方注意
マイク・イヤホン・照明配信専用なら全額私用と兼ねるなら按分
スマホ・パソコン配信に使った割合全額は難しい。使用割合で分ける
通信費配信に使った割合同上
衣装・メイク用品配信専用なら普段も使うものは認められにくい
背景・小物配信用に買ったもの用途が説明できること
イラストの依頼費キャラクター配信の場合領収書を必ずもらう
電気代・家賃配信に使った割合按分の根拠を説明できること

共通する考え方は「配信のために使ったと説明できるか」です。私用と兼ねるものは、使った割合で分けます(按分といいます)。

逆に、普段の生活でも使うもの——普段着、日常のメイク用品、家族と一緒に食べた食事——は、基本的に難しいと考えてください。

いちばん大事なのは「最初から残しておく」こと

経費の話で実際に困るのは、金額の判断ではありません。あとから領収書が見つからないことです。

始めた時点ではまだ収入がないので、記録を残す習慣を作っていない人がほとんどです。そして1年後に慌てます。

  • 領収書は最初から取っておく/収入が出るかどうかに関係なく、配信用に何か買ったら残します。箱ひとつ用意して放り込むだけで構いません。
  • ネット購入は履歴を残す/通販は購入履歴が残りますが、アカウントごと消えると困ります。画面を保存しておくと安心です。
  • 配信用の銀行口座を分ける/お金の出入りが分かれるだけで、あとの作業が劇的に楽になります。これがいちばん効きます。
  • 配信時間を記録しておく/通信費や電気代を按分するときの根拠になります。
今日できること

収入がまだゼロでも、①領収書を入れる箱を用意する ②配信用の口座を作る。この2つだけ先にやっておいてください。1年後の自分がかなり助かります。

開業届は出すべきか

「開業届を出すと事業所得になる」と説明されることがありますが、単純にそうとは限りません。判断の材料を整理します。

出す場合出さない場合
手続き税務署に提出不要
青色申告申請すれば使える可能性使えない
帳簿きちんとつける必要比較的簡易
向く人継続的に一定の収入がある始めたばかり・少額

始めたばかりで収入が少ないうちは、急いで出す必要はありません。継続して収入が出るようになってから考えれば十分です。判断に迷うなら、税務署で相談できます(無料です)。

扶養に入っている場合

ここも誤解が多い部分です。よく言われる「◯◯万円の壁」は、給与収入を前提にした話です。

配信の収入は給与ではないため、同じ金額でも扱いが変わります。「アルバイトなら大丈夫な金額だから配信でも大丈夫」とは限りません。

さらに、扶養には税金の扶養社会保険の扶養があり、それぞれ基準が違います。社会保険は加入している健康保険組合によって判断が異なることもあります。

これらの基準は改正で変わるため、この記事では金額を書きません。収入が出始めたら、早めに一度確認してください。あとから遡って請求されるほうが大変です。

会社に知られる仕組み

「副業がバレる」と言われる経路のほとんどは、住民税です。

住民税は前年の所得をもとに計算され、会社員の場合は給与から天引きされます。このとき、給与に対して住民税の額が不自然に多いと、会社側が気づく場合があります。

ここで重要なのは、これは配信のやり方では防げないということです。顔を出さない、名前を変える、といった対策とはまったく別の話になります。

対応の方法はありますが、自治体や勤務先の状況によって結果が変わります。就業規則を確認したうえで、必要なら税務署や自治体に相談するのが確実です。配信側の身バレ対策はこちらにまとめています。

1年の流れを知っておく

確定申告は「毎年2〜3月にやる作業」だと思われがちですが、実際は1年かけて準備するものです。流れを知っておくと、慌てません。

時期やること
1年を通して領収書を残す。配信用の口座に入出金を集める
収入が出始めたとき一度、税務署か自治体に確認する
年末1年分の収入と経費を集計する
年明け〜3月ごろ申告して納付する
その後住民税の通知が来る。金額を確認する

いちばん効くのは1行目です。ここをやっていれば、年末の作業は集計だけで終わります。やっていないと、1年分を思い出す作業から始めることになります。

申告の期限や手続きの方法は年によって変わることがあるので、その年の案内を確認してください。オンラインで完結できる仕組みも用意されています。

いつ専門家に相談するか

  • 収入が出始めたとき/出てから慌てるより、出た時点で一度確認するほうが楽です。
  • 扶養に入っているとき/基準が複雑なので、自己判断は危険です。
  • 会社に知られたくないとき/個別事情で結論が変わるため、一般論では判断できません。
  • 複数の収入源があるとき/計算が複雑になります。

税務署では無料で相談できますし、確定申告の時期には相談会も開かれます。「税理士に頼むほどではない」と思っても、税務署に聞くのは無料です。

事務所に入っている場合の扱い

事務所に所属していても、確定申告は本人が行います。会社に雇われているわけではないので、年末調整もありません。ここは所属の有無で変わりません。

ただし、いくつか確認しておくべき点があります。

  • 手数料が引かれている場合、その額を把握する/引かれた後の金額が手元に入るなら、記録の取り方が変わります。明細が出るかを確認してください。
  • 支払調書などの書類が出るか/出る場合は保管します。出ない場合は、自分で入金の記録を残す必要があります。
  • 「税金の相談に乗る」の中身/相談に乗ってもらえるのと、代行してもらえるのはまったく別です。代行は税理士の資格が必要な業務なので、曖昧な説明には注意してください。

事務所選びの段階でここを聞いておくと、あとで困りません。聞くべきことは事務所の選び方にまとめています。

よくある質問

少額なら申告しなくていいですか?

基準を下回れば所得税の申告は不要になる場合がありますが、住民税の申告は別に必要なことがあります。また基準は改正で変わるので、その年の最新情報を確認してください。

まだ収入がありません。何かしておくことは?

領収書を残す箱を用意することと、配信用の銀行口座を分けること。この2つだけで十分です。買った機材の領収書は、収入が出る前のものでも経費にできる場合があります。捨てないでください。

スマホ代は全額経費にできますか?

私用と兼ねているなら、全額は難しいです。配信に使った割合で分けます。割合の根拠を説明できるように、配信時間を記録しておくと安心です。

事務所に入っていれば、やってもらえますか?

確定申告は本人が行うものです。事務所によっては相談に乗ってくれる場合がありますが、代行してもらえるわけではありません。「税金は事務所がやってくれる」と説明されたら、内容をよく確認してください。

申告しないとどうなりますか?

本来納めるべき税額に加えて、加算される分が発生する場合があります。金額が小さいうちに整えておくほうが、結果的に負担は軽くなります。

学生でも必要ですか?

学生かどうかで免除されるわけではありません。むしろ扶養の関係があるぶん、確認すべきことは増えます。早めに調べておいてください。

この記事のまとめ
  • 配信の収入は給与ではない。誰も代わりに計算してくれない
  • 判断の基準は「収入」ではなく「収入−経費」
  • 金額の基準は改正で変わる。その年の最新情報を確認する
  • 所得税が不要でも、住民税の申告は別に必要なことがある
  • 今日できるのは、領収書の箱を用意することと、配信用の口座を分けること
  • 会社に知られる経路は住民税。配信のやり方では防げない
  • 税務署の相談は無料。収入が出た時点で一度確認する

身バレ対策はこちら、機材やリスナー対応は配信の実務にまとめています。

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始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。

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ライバーの森 編集部

現役のボイストレーナーと、配信の現場に関わっているメンバーで記事を作っています。収入の断定と、裏の取れない数字は書きません。

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