ライバー事務所の詐欺|「詐欺」と呼べる線引きと、被害に遭ったときの手順
「ライバー事務所 詐欺」で検索する人は、たいてい2つのどちらかの状況にいます。これから契約するか迷っている人と、すでに払ってしまった人です。
この記事は、両方に向けて書きます。前半は線引き、後半は被害に遭ったあとの手順です。
「詐欺」に当たるかどうかは、最終的に法的な判断です。当サイトでは断定しません。ただし、納得できないまま払ってしまった場合、詐欺かどうかに関係なく相談できる窓口があります。消費生活センターは無料です。
「詐欺」という言葉を、いったん脇に置く
相談の場で困るのが、「これは詐欺ですか」という質問には、その場で答えが出ないということです。事実関係を確認しないと判断できません。
そのかわり、次の問いには自分で答えられます。
- 説明された内容と、実際が違うか
- 書面に書かれていないことを言われたか
- 払う理由が説明されなかったか
- 断る時間を与えられなかったか
ここに当てはまるなら、詐欺かどうかを自分で判定する必要はありません。記録を持って相談してください。判定は、窓口の仕事です。
よくあるトラブルの形
| 形 | 何が起きるか |
|---|---|
| 初期費用・登録料を請求される | 加入者から先に金を取る構造にはなっていません |
| 研修費・レッスン料を請求される | 事務所の収益源として不自然です |
| 機材の購入を求められる | 自分で好きなものを買えば済む話です |
| 説明と契約書の内容が違う | 効力を持つのは書面のほうです |
| 契約書を渡されない | 署名前に見せられない書類は存在しません |
| 報酬が支払われない | 締めと支払日を確認したうえで、記録を残して請求します |
| 加入後に連絡が取れない | 窓口が個人アカウント1つだと、これが起きます |
手口そのものは悪質な事務所の手口に、断り方まで含めてまとめました。まだ契約していないなら、そちらを先に読んでください。
払う前に止める、たった1つの方法
これだけです。この一文を嫌がる相手は、その時点で候補から外して構いません。まっとうな相手ほど、考える時間を渡します。理由を説明する必要もありません。
その場で決めさせようとするのは、判断させないための手法です。「今日中に決めれば」「枠が埋まる」——どれも、比較や相談をさせないための言葉だと考えてください。
すでに払ってしまった場合の手順
- やり取りをすべて保存するメッセージ、契約書、振込の記録、通話の日時。日付が分かる形で保存してください。相手をブロックする前に、必ず先に保存します。
- 支払いの方法を確認するクレジットカードか、振込か、現金か。方法によって、取れる手段が変わります。
- カード会社に連絡するクレジットカードの場合、状況によっては相談できることがあります。早いほど選択肢があります。
- 消費生活センターに相談する無料です。契約に関するトラブルの窓口で、この種の相談を日常的に扱っています。
- 必要なら警察に相談する金銭をだまし取られた、脅されているという段階なら、迷わず相談してください。
- 弁護士に相談する金額が大きい場合。法テラスなど、費用の相談ができる制度もあります。
ブロックすると、過去のやり取りが見られなくなることがあります。スクリーンショットを先に。これを忘れると、相談のときに困ります。
相談するときに持っていくもの
- 契約書(あれば)/なければ、その旨も伝えてください。
- やり取りの記録/メッセージ、メール。日付が見える形で。
- 支払いの記録/振込明細、カードの利用明細。
- 事務所の情報/会社名、担当者名、連絡先、サイトのURL。
- 時系列のメモ/いつ何があったか。これがあると、相談が一気に進みます。
最後の項目は、自分で作れる最強の資料です。日付と出来事を箇条書きにするだけで構いません。
「自分が悪かった」と思わないでください
この種の手口は、判断材料を与えないように設計されています。急がせる、書面を見せない、比較させない。冷静な状態なら見抜けたことでも、その場では難しい。
相談をためらう理由でいちばん多いのが、恥ずかしさです。ただ、窓口の人にとっては日常的な相談です。珍しくもありませんし、責められることもありません。
これから契約する人が確認すること
- 事務所名を検索する公式サイトが出るか。出ない時点で終わりです。
- 運営会社を確認する会社名と所在地が書かれているか。
- 所属者が実際に活動しているか公式サイトに載っている人を検索する。更新が止まっているなら、その事務所は動いていません。
- 費用の有無を聞く「加入にあたって、こちらが支払うものはありますか」。
- やめ方を聞く「途中でやめる場合、何が必要ですか」。答え方に人柄が出ます。
- 契約書を持ち帰って読む期間・報酬・費用・専属の範囲・解約・退所後の制限。それぞれの項目をどう読むかは契約書チェックの8項目に順番で並べています。
この6つで、5分もかかりません。この5分を惜しんだ結果の相談が、いちばん多いです。名乗られた会社が実在するかをさらに確かめる方法は、スカウトの見分け方(国税庁の法人番号公表サイトやアプリ公式の事務所一覧の使い方)にまとめています。
ここまで読んで、自分のケースが判断できないと感じたら、LINEで聞いてください。
LINEで相談するお金以外のトラブル
金銭が絡まなくても、実害が出る形があります。「お金を取られていないから相談できない」ということはありません。
| 起きること | どう扱うか |
|---|---|
| アカウントを取り上げられた | 契約上の根拠を確認する。口頭で言われただけなら、まず根拠を求める |
| 報酬が支払われない | 締めと支払日を確認したうえで、記録を残して請求する |
| やめさせてもらえない | 解約の条項を確認。申し出た日付を残る形で記録する |
| 個人情報を勝手に使われた | 契約書の記載を確認。記録を残して相談窓口へ |
| 誹謗中傷を受けた | 記録を保存。内容によっては警察や弁護士の領域です |
共通しているのは「記録を残して、窓口に持っていく」という一点です。自分で交渉して解決しようとすると、感情的なやり取りが残って不利になります。
やり取りの残し方
- 重要な話は文字で送る通話で決まったことも、あとで「先ほどのお話ですが」と要約して送っておきます。これだけで記録になります。
- 日付が分かる形で保存するスクリーンショットで構いません。
- 契約書は手元にコピーを置くグループから外されると見られなくなることがあります。
- 感情的なやり取りは残さない売り言葉に買い言葉は、こちらが不利になります。事実と希望だけを書いてください。
相談先の使い分け
| 窓口 | 向いている相談 | 費用 |
|---|---|---|
| 消費生活センター | 契約全般、返金、解約。まずここで構いません | 無料 |
| 警察 | だまし取られた、脅されている、身の危険がある | 無料 |
| 法テラス | 弁護士に相談したいが費用が不安な場合 | 条件により無料相談 |
| 弁護士 | 金額が大きい、法的手続きを検討する場合 | 有料 |
| 労働相談の窓口 | 働き方や報酬の扱いに疑問がある場合 | 無料 |
どこに行くべきか分からない場合は、まず消費生活センターに電話してください。適切な窓口を案内してもらえます。「たらい回しにされるのでは」と心配する必要はありません。
相談したあとの流れ
「相談したら大ごとになるのでは」と心配する人がいますが、そうはなりません。
- 状況を聞かれる時系列のメモがあると、ここが速く終わります。
- 取れる手段を教えてもらえる返金の交渉、解約、他の窓口への案内など。選ぶのは自分です。
- 自分で動くか、間に入ってもらうかを決める状況によって、あっせんという形が取れることがあります。
- 結果を待つすぐに解決するとは限りませんが、ひとりで抱えている状態からは抜けられます。
相談したからといって、必ず何かを進めなければならないわけではありません。「状況を整理して、選択肢を知る」だけでも十分な価値があります。
時系列のメモは、この順番で作る
持ち物の項で「時系列のメモがあると相談が一気に進む」と書きました。ただ、いざ書こうとすると、何から書けばいいか分からず手が止まります。ここでは書き方そのものを説明します。
- 最初の接点から書き始める契約した日からではありません。最初にメッセージが届いた日、最初に会った日から書きます。入口がスカウトDMだったなら、その文面自体が大事な記録なので、消さずに残してください。
- 1行の型を決める「日付/相手/手段/言われたこと・したこと」の順で1行にします。例:「4月10日/担当A/LINE/今週中に決めてほしいと言われた」。感想は書かず、起きたことだけを書きます。
- お金の動きに印をつける払った日・金額・方法の行には、行頭に★など目印をつけます。窓口が最初に確認するのはこの行です。
- あいまいな日付は、あいまいなまま書く思い出せなければ「4月上旬ごろ」で構いません。空白にして飛ばすより、つながっているほうが役に立ちます。
- 最後に「いま困っていること」を1行「返金してほしい」「連絡が取れない」など。窓口の人が最初に知りたいのはここです。
紙のメモでも、スマホのメモ帳でも構いません。まず記憶だけで書き始めて、あとからメッセージや明細と突き合わせて直せば十分です。書いているうちに、忘れていたやり取りを思い出すことも多いです。
家族や友人に、どう切り出すか
相談窓口より先に立ちはだかるのが、身近な人です。「なんで払ったの」と責められるのが怖くて、誰にも言えないまま時間が過ぎていく。この形がいちばん多いです。
切り出し方には、少しだけコツがあります。
- 結論から言う/「お金のことで困っていて、消費生活センターに相談しようと思っている」。次にやることを決めた形で伝えると、相手は説教ではなく協力に回りやすくなります。
- 経緯はメモを見せる/口で説明すると、途中で遮られたり、感情的になったりします。上で作った時系列のメモを、そのまま見せてください。
- 全部話さなくていい/金額を言いたくなければ、まず「払ってしまった」だけで構いません。詳細は落ち着いてからで足ります。
- 頼みごとを具体的にする/「どうしよう」と聞くより、「窓口に電話するとき、そばにいてほしい」のほうが、相手も動きやすくなります。
それでも責める言葉が返ってくることはあります。多くの場合、相手も驚いて言葉を選べていないだけです。そのときは、手口が判断させないように組まれていることを説明した悪質な事務所の手口の記事を、そのまま読んでもらってください。自分の口で弁明するより伝わります。
家族に打ち明けることは、相談の条件ではありません。消費生活センターには、家族に話す前でも相談できますし、誰かに言ったかどうかを責められることもありません。順番は、あなたが決めて構いません。
よくある質問
これは詐欺に当たりますか?
当サイトでは判断できません。ただし、詐欺に当たるかどうかに関係なく、消費生活センターには相談できます。まず記録を揃えてください。
払ったお金は戻りますか?
状況によります。支払い方法と時期で、取れる手段が変わります。自己判断で諦めず、早めに相談してください。
契約書がありません。
やり取りの記録が手がかりになります。「契約書がないから相談できない」ということはありません。
相手と連絡が取れなくなりました。
記録を持って相談してください。連絡が取れないこと自体が、状況を示す事実です。
未成年ですが、親に言えません。
未成年の契約には特別な扱いがある場合があります。ここは自己判断せず、消費生活センターに相談してください。学校の相談窓口も使えます。
SNSで注意喚起したほうがいいですか?
おすすめしません。事実関係が確定する前の投稿は、こちらが責任を問われることがあります。まず窓口へ。
「訴える」と言われました。
脅しとして使われることがあります。やり取りを保存したうえで、こちらも窓口に相談してください。ひとりで対応しないことが大事です。
解約したいのに応じてもらえません。
解約の条項を確認し、申し出た日付が残る形で改めて送ってください。そのうえで応じない場合は、記録を持って消費生活センターへ。
友人が同じ事務所にいます。
相談する相手としては有効ですが、相手も同じ契約下にいる点は意識してください。判断は自分で行い、記録は自分で残してください。
- 「詐欺かどうか」は法的判断。自分で判定する必要はない
- 納得できないまま払ったなら、詐欺かどうかに関係なく相談できる
- 払う前に止める方法は1つ。「一度持ち帰って読ませてください」
- 相手をブロックする前に、やり取りを保存する
- 相談先は消費生活センター(無料)、状況により警察・弁護士
- 「自分が悪かった」と思わない。判断させない設計になっている
手口の一覧と断り方は悪質な事務所の手口、選ぶときの質問は事務所の選び方をどうぞ。なお当サイトは法律の専門機関ではありません。個別の判断は、消費生活センターや弁護士にご相談ください。
始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。
事務所選びを読むスカウトDMが来た、契約書を渡された、やめたいのに話が進まない。こういうときは、その場で決めないことがいちばん効きます。判断に困ったら聞いてください。
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