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ライバー事務所の移籍|順番を間違えると、どちらにも所属できなくなる

公開 2026.08.22読了 約9分監修:現役ボイストレーナー

移籍で失敗する人の多くは、順番を間違えています。「やめてから次を探す」のではなく、「次を踏まえて、やめる時期を決める」。この順番を逆にすると、身動きが取れなくなることがあります。

先に結論

移籍で最初にやるのは、いまの契約書の「退所後の制限」を読むことです。ここに一定期間の制限があると、やめたあとすぐに次へ入れません。知らずに退所を伝えると、空白期間が発生します。

移籍の全体の流れ

  1. いまの契約書を読む期間・解約・退所後の制限の3箇所。ここが出発点です。
  2. 移籍先の条件を確認するまだ動かず、条件だけ聞きます。
  3. 両方を比べて、時期を決める更新月をまたがないように設計します。
  4. いまの事務所に伝える残る形で、希望日を書いて送ります。
  5. 退所の手続きを済ませる最後の報酬の締めも確認します。
  6. 移籍先と契約するここでようやく契約です。

1と2の順番が逆になっても構いませんが、4より前に1をやることだけは崩さないでください。

いまの契約書で見る3箇所

項目確認すること
契約期間と更新いつまでか。自動更新か。更新をまたぐと、また同じ期間が始まります
解約の申し出「◯ヶ月前に」と書かれていることが多い。逆算が必要です
退所後の制限一定期間、同業への所属や同じアプリでの活動が制限されることがあります

3行目を見落とすと、いちばん困ります。やめたあと、次に入れない期間が発生するからです。詳しくは退所したあとどうなるかにまとめました。

制限の範囲が広すぎる場合

内容によっては、その条項自体が妥当かどうかという論点になります。納得できない場合は、契約書を持って消費生活センターに相談してください。言われるままに従う必要はありません。

移籍先に聞くこと

いまの事務所に不満があると、次を良く見てしまいます。ここで確認を省くと、同じことを繰り返します。

  • 「移籍の場合、いつから所属になりますか」/制限期間があることを前提に聞きます。
  • 「前の事務所とのやり取りに関与しますか」/関与する/しないは事務所によります。
  • 「アカウントはそのまま使えますか」/ここが移籍でいちばん影響の大きい部分です。
  • 「条件を書面でいただけますか」/口頭の約束は残りません。
  • 「途中でやめる場合、何が必要ですか」/また同じ状況にならないために、先に聞きます。

最後の質問を嫌がる相手とは契約しないでください。やめ方を説明できることは、まっとうさの分かりやすい指標です。

アカウントはどうなるか

移籍の実務でいちばん大きい論点がここです。

状況起きること
自分で作ったアカウント基本的に自分のものとして残ります
事務所経由で作られたアカウント扱いが契約で決まっています。必ず確認
公式ライバーなどの認定枠事務所を通した制度なら、いったん外れることがあります
フォロワー・ランクアカウントが残るなら、そのまま残ります

2行目に該当する場合、移籍の意味そのものが変わります。積み上げたものを失うなら、移籍する価値があるかを再検討してください。

移籍で失うもの・失わないもの

失わない失う可能性がある
あなたに来ているリスナー事務所経由の枠や企画
身についた進め方認定枠などの制度上の立場
自分名義のアカウント事務所名義のアカウント
配信の習慣担当者との関係

左の1行目が本質です。リスナーは事務所ではなく、あなたに来ています。アカウントが残るなら、多くはそのまま来ます。

リスナーへの伝え方

  • 「所属が変わりました」で十分/内部の事情は話さないでください。秘密保持の条項に触れることがあります。
  • 前の事務所を悪く言わない/聞いている側が困ります。自分の印象も下がります。
  • 配信の予定を伝える/これがいちばん大事です。「次は◯曜日から」。
  • 空白期間があるなら、先に言う/黙って消えると、戻りにくくなります。
そのまま使える言い方

「今月から所属が変わりました。配信は◯曜日の◯時から、これまでどおり続けます。」これで十分です。理由も経緯も、話す必要はありません。

移籍する前に、もう一度考えること

移籍で解決する問題と、しない問題があります。

いまの不満移籍で解決するか
担当者と合わない◯ 解決する可能性が高い
条件が生活に合わない◯ 条件の違う事務所を選べば解決します
サポートがない△ 次も同じとは限りません。事前に確認を
収入が伸びない× 事務所を変えても伸びません
配信が続かない× やり方と生活の設計の問題です

下2つが移籍の理由なら、移っても同じことが起きます。その場合は配信がしんどいときリスナーの増やし方のほうが役に立ちます。

ここまで読んで、自分のケースが判断できないと感じたら、LINEで聞いてください。

LINEで相談する

移籍の時期を設計する

同じ内容でも、伝える時期で条件が変わります。カレンダーに置いて考えてください。

見るところ理由
更新月またぐと、また同じ期間が始まります。ここが最も金額に効きます
解約の申し出期限「◯ヶ月前に」から逆算します
報酬の締め日締め直後に伝えると、最後の1ヶ月の扱いが分かりやすい
制限期間の長さ空白が出るなら、その間の活動をどうするか決めておく
イベントの時期期間中は話が後回しにされやすい

制限期間があって空白が出る場合、その間は個人で続けるという選択もあります。配信そのものを止める必要はありません。

移籍先を見極める

いまの事務所に不満があるほど、次を良く見てしまいます。冷静に見るための質問を並べます。

  • 所属者が実際に活動しているか/公式サイトの所属者を検索する。更新が止まっているなら、その事務所は動いていません。
  • デメリットを説明できるか/「向いていない人はどういう人ですか」に答えられるか。
  • 費用を請求されないか/されたら、その時点で終わりです。
  • 持ち帰る時間をくれるか/急がせる相手は避けて構いません。
  • 前の事務所の悪口を言わないか/言う相手は、次はあなたのことを言います。

最後の項目は、移籍のときにだけ分かる指標です。他社を落として自社を上げる相手は、信用の置き方が分かりません。

移籍しない、という選択

不満があるとき、選択肢は「移籍」だけではありません。

  • 担当者を変えてもらう/人が合わないだけなら、これで解決することがあります。言ってみる価値はあります。
  • 条件を交渉する/頻度や時間の条件は、相談できる場合があります。
  • 個人に戻る/次を探さずに、いったん個人で続ける。個人と事務所の比較へ。
  • いまは動かない/更新月まで待つほうが、条件が良くなることもあります。

移籍は手間がかかります。それに見合う改善があるかどうかを、先に確かめてください。

移籍したあとにやること

  1. 最後の報酬が入ったか確認する前の事務所の締めと支払日。入るまでは連絡手段を切らないでください。
  2. 新しい条件を書面で確認する口頭で聞いた内容と、書面が一致しているか。
  3. 配信のペースを戻す手続きの期間に空いたぶん、短くていいので早めに再開します。
  4. 前の事務所の話をしない聞かれても「所属が変わりました」で十分です。
連絡手段を先に切らない

退所と同時にグループから外されると、最後の報酬の確認ができなくなることがあります。担当者の個別の連絡先を、退所前に確保しておいてください。

声をかけられた移籍は、判断が甘くなります

移籍には2つの入り口があります。自分から移籍先を探す場合と、よその事務所から「うちに来ませんか」と声をかけられる場合です。手順は同じでも、判断の質はまるで違います。

自分から探す声をかけられる
比較対象複数を並べて選べるその1社しか見ていない
時期自分の契約に合わせて決める相手のペースで進む
気持ち不満が出発点で、冷静「選ばれた」で評価が上がる

効いているのは3行目です。声をかけられると、相手を見極める前に「認められた」という気持ちが先に立ちます。この状態では、自分から探すときなら必ず聞くはずの質問を、飛ばしてしまいます。

  • 自分から探すときと同じ手順に戻す事務所の選び方の質問を、声をかけてきた相手にもそのまま使います。
  • ほかの事務所とも比べる/勧誘された1社だけを見ていると、その条件が普通なのか判断できません。
  • 好条件の数字は分母を聞く/勧誘の場面ほど、数字は良く見せられます。「100%還元」のからくりの質問がそのまま使えます。
  • 時期は自分の契約から決める/「今月中に」と急かされても、動く時期を決める根拠はいまの契約書のほうにあります。

声をかけられたこと自体は、悪い話ではありません。ただし、選ばれた側でも、選ぶのはあなたです。この一点だけ、手放さないでください。

移籍の話は、準備が整うまで広げない

事務所同士は同じアプリのイベントや企画で顔を合わせ、担当者は事務所を移り、ライバー同士も横でつながっています。移籍の話は、思っているより早く、思っていない経路で伝わります。

準備が整う前に話が漏れると、次のことが起きます。

  • いまの事務所に、人づてに伝わる/自分の言葉で伝える前に知られると、話が引き止めや詮索から始まってしまいます。
  • 契約書を確認する前に、話し合いが始まる/退所後の制限や時期の設計が済んでいない段階で交渉に入ると、こちらに材料がありません。
  • 移籍先が話を保留にすることがある/揉め事の気配がある相手との契約を、事務所は避けたがります。

漏れる経路は、だいたい決まっています。同じ事務所のライバー仲間への相談、リスナーへのそれとない匂わせ、SNSの「近いうちに報告があります」。どれも悪意がなくても伝わります。

  • 相談相手は事務所の外で選ぶ/同じ事務所の仲間は、事務所に聞かれれば答える立場になります。
  • リスナーに匂わせない/伝えるのは、決まってからで十分です。先に匂わせても、良いことは何もありません。
  • 正式に伝えるのは、必ず自分から/準備が整ったら、記録が残る形で伝えます。伝え方は事務所のやめ方にまとめました。

隠し事をしろという話ではありません。順番の話です。伝える準備が整ってから、自分の言葉で伝える。それだけで、移籍の後味は大きく変わります。

よくある質問

移籍先が「うちが話をつけます」と言っています。

やり取りは自分でも把握してください。任せきりにすると、何がどう決まったか分からなくなります。記録は自分でも残しておくこと。

退所を伝える前に、移籍先と契約してもいいですか?

おすすめしません。二重に所属している状態になり、どちらの契約にも違反する可能性があります。順番を守ってください。

引き止められています。

条件を良くすると言われたら、書面で出してもらってください。口頭の約束は残りません。それでも納得できないなら、予定どおり進めて構いません。

制限期間があると言われました。

契約書のどこに書いてあるかを確認してください。書いていないものは、言われただけでは発生しません。

個人に戻るという選択もありますか?

あります。事務所がないと配信できないわけではありません。判断材料は事務所に入るべきかにまとめました。

移籍したことは公表すべきですか?

義務はありません。「所属が変わりました」程度で十分です。詳しく話すほど、話がこじれます。

移籍のあと、リスナーは減りますか?

アカウントが残るなら、多くはそのまま来ます。減るとしたら、空白期間が長かった場合です。短くていいので早めに再開してください。

移籍先から「すぐ来てほしい」と言われています。

急がせる相手は、それだけで注意してください。制限期間の確認を飛ばすと、こちらが契約違反を問われる立場になります。

1年以内に2回移籍するのは印象が悪いですか?

回数より、やめ方が丁寧かどうかのほうが見られます。手続きを踏んでいれば問題ありません。

同じアプリ内での移籍でも制限はありますか?

契約によります。「同じアプリでの活動を制限」という条項があると、アプリごと変える必要が出ることもあります。必ず先に確認してください。

移籍を検討中だと、いまの事務所に伝えるべきですか?

伝える義務はありません。条件が固まる前に言うと、話が複雑になります。準備が整ってから、退所の申し出として伝えてください。

この記事のまとめ
  • 順番が命。やめてから探すのではなく、次を踏まえて時期を決める
  • 最初に読むのはいまの契約書の「退所後の制限」
  • 移籍先にはいつから所属になるか・アカウントの扱い・やめ方を聞く
  • 事務所名義のアカウントなら、移籍の意味そのものが変わる
  • リスナーには「所属が変わりました」で十分。内部事情は話さない
  • 収入が伸びない・続かないは、移籍では解決しない

退所後の実務は退所したあとどうなるか、次を選ぶ基準は事務所の選び方をどうぞ。

次に読むなら

始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。

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スカウトDMが来た、契約書を渡された、やめたいのに話が進まない。こういうときは、その場で決めないことがいちばん効きます。判断に困ったら聞いてください。

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ライバーの森 編集部

現役のボイストレーナーと、配信の現場に関わっているメンバーで記事を作っています。収入の断定と、裏の取れない数字は書きません。

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