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ライバー事務所とは?仕組み・収益構造・所属で変わることを整理しました

公開 2026.08.09更新 2026.08.10読了 約10分監修:現役ボイストレーナー

「ライバー事務所」という言葉はよく見かけますが、実際に何をしてくれる場所なのかは、外からだとよく分かりません。

芸能事務所を想像すると実態とずれますし、かといって単なる紹介所でもありません。ここでは仕組みの話から順に説明します。読み終わるころには、募集ページに書いてあることが何を意味しているのか判断できるようになります。

ライバー事務所とは、アプリと配信者の間に入る組織

ライブ配信アプリの多くは、事務所と提携する制度を持っています。事務所はアプリから公認を受け、所属する配信者(ライバー)の活動をサポートします。

ここで大事なのは、事務所は配信者を「雇っている」わけではないということです。多くの場合、配信者は個人事業主に近い立場で、事務所とは業務提携のような関係になります。給料が出るわけではなく、配信で発生した報酬が本人に入る、というのが基本の形です。

つまり関係としてはこうなります。

3者の関係

アプリ運営(場と報酬の仕組みを用意する)/配信者(実際に配信する)/事務所(配信者を支え、運営との間に立つ)。事務所は配信者の上司ではなく、間に立つ第三者だと考えると実態に近いです。

事務所は何で収益を得ているのか

ここが一番分かりにくく、そして誤解が多い部分です。主な形は2つあります。

収入源誰が払っているか本人の取り分よくある設定
アプリ運営から事務所への報酬アプリの運営会社減らないほとんどのアプリにある
事務所が設定する手数料配信者本人減る0%にしている事務所が多い

1つ目は、所属ライバーの活動実績に応じてアプリの運営会社から事務所へ支払われるものです。これは運営側の上乗せなので、本人の報酬から引かれるものではありません。

「手数料0%なのに、どうやって儲けているの?」という疑問の答えは、たいていこれです。怪しい話ではありません。

2つ目が、事務所が独自に設定する手数料です。ただし現在は0%にしている事務所が多く、手数料を取る事務所は敬遠されやすい空気があります。

この2つの違いを知っておくと、面談で「その0%は、すべての報酬についてですか」と踏み込んで聞けるようになります。

芸能事務所とは、かなり別物です

芸能事務所のイメージライバー事務所の実際
入り方オーディションで選抜応募して面談、というのが一般的
仕事事務所が取ってくる自分で配信する
収入ギャラを分配配信の報酬が本人に入る
拘束強いことが多い比較的ゆるい(事務所による)
やめるとき手続きが重い比較的軽い(要確認)

とくに「仕事を取ってきてもらう場所ではない」というのは、期待とのズレが起きやすい部分です。配信するのはあくまで自分で、事務所はその周りを支える役割だと考えてください。

所属すると、具体的に何が変わるのか

事務所によって差は大きいのですが、共通して挙がるのは次のあたりです。

  • 相談できる相手ができる/配信の設計、伸び悩み、トラブル。ひとりで抱えなくてよくなります。
  • 個人ではできない実務を任せられる/たとえばファンからの荷物を受け取る場合、個人だと自宅の住所を教えるしかありません。事務所があれば、そこで受け取れます。
  • イベントに参加しやすくなる/アプリ主催のイベントで事務所枠が用意されることがあります。
  • 始め方の設計を一緒に考えてもらえる/配信の曜日・時間、プロフィール、最初の数回の使い方。知っているかどうかだけで差が出る部分です。

逆に、変わらないこと

  • 審査に受かりやすくなるわけではない/審査の基準はアプリ側が決めていて、所属していても同じ基準で判定されるのが普通です。ここを「事務所に入れば受かる」と説明する相手には注意してください。
  • 報酬の単価が上がるわけではない/アプリが決めている仕組みなので、所属の前後で本人の単価が変わることは基本的にありません。
  • リスナーが増えるわけではない/事務所のSNSに載ることはあっても、それで人が集まるとは限りません。
  • 配信の中身を代わりにやってもらえるわけではない/話すのも歌うのも自分です。

事務所にも種類があります

ひとくちに事務所と言っても、性格が違います。募集ページを読むときの参考にしてください。

タイプ特徴向いている人
単一アプリ特化型1つのアプリに集中。仕様に詳しいやるアプリが決まっている人
総合型複数アプリに対応。規模が大きいことが多いアプリを決めきれていない人
ジャンル特化型歌・ゲーム・Vライバーなど軸がある見せられるものが決まっている人
母体があるタイプ教室・スタジオなど本業を持つ本業側の資源を使いたい人

規模の大小より、自分がやりたいことと軸が合っているかのほうが効きます。

ここまで読んで、自分のケースが判断できないと感じたら、LINEで聞いてください。

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加入から配信までの流れ

  1. 事務所を探して応募するフォームやLINEから応募します。この時点でのやり取りの速さと丁寧さも、判断材料になります。
  2. 面談を受けるオンラインで30分〜1時間程度が一般的です。ここで条件を確認します。面談=加入ではありません。持ち帰って構いません。
  3. 加入の手続きをするアプリ側で事務所に加入申請を出し、事務所が承認する、という形が多いです。⚠️すでに報酬が貯まっている場合は、先に精算が必要なことがあります。順番を必ず確認してください。
  4. アプリの審査を受ける審査があるアプリでは、ここで本人が申請します。事務所が代わりに受けてくれるわけではありません。
  5. 配信を始める最初の数回が評価対象になるアプリもあります。勢いで始めず、日程を決めてからのほうが確実です。

事務所に「入れる人・入れない人」はあるのか

オーディションのような選抜を想像する方もいますが、実態はもっと緩やかです。多くの事務所は応募すれば面談があり、そこで双方が合うかを見ます。

ただし、まったく審査がないわけでもありません。事務所側が見ているのは、だいたい次の3点です。

  • 継続できそうか/週にどれくらい時間を取れるか。ここがゼロに近いと、事務所側も支えようがありません。
  • 連絡が取れるか/返事が来ない人は、サポートのしようがありません。
  • 規約を守れそうか/アプリの規約違反は事務所全体に影響します。ここは厳しめに見られます。

逆に言うと、配信がうまい必要も、フォロワーが多い必要もありません。未経験から始める人が中心です。「自分なんて」と思って応募しない理由にはならない、というのは知っておいてください。

なお、アプリ側の審査は事務所の審査とは別物です。所属していても、アプリの審査は本人が受けます。

事務所を使わない、という選択肢

事務所の役割を知ったうえで、あえて入らない人もたくさんいます。個人でやる場合、事務所の機能はこう代替できます。

事務所の機能個人での代替代替のしやすさ
相談相手配信者どうしのつながり、SNSできる(合う相手が見つかれば)
始め方の設計情報サイト、先輩配信者に聞くできる(時間はかかる)
イベント参加個人枠で応募するだいたいできる
贈り物の受け取り受け取らない/代行サービス費用か我慢が必要
トラブル対応自分で判断、必要なら警察できるが精神的にきつい

見ての通り、ほとんどは代替できます。個人で本当に詰まるのは「贈り物の受け取り」だけで、ここは自宅の住所を出すか、費用を払うか、諦めるかの三択になります。

逆に言えば、その悩みが無いうちは、無理に入る必要はありません。

事務所と交わす契約はどういうものか

契約の形は事務所によって違いますが、書面を交わす場合と、加入時の規約同意で成立する場合があります。どちらであっても、確認すべき点は同じです。

確認する項目なぜ必要か
契約期間の有無縛りがあると、合わなかったときに動けない
解除の手続きと日数やめると伝えてから完了までの流れ
手数料の対象範囲「0%」が何に対してなのか
報酬の支払い方法と時期いつ・どうやって受け取るのか
掛け持ちの可否他アプリ・他事務所と並行できるか
秘密保持・肖像の扱い写真や配信内容をどこまで使われるか
その場で署名しない

契約書を見せてくれない、あるいは持ち帰らせてくれない事務所は、その時点で候補から外して構いません。読む時間をくれるかどうかは、相手の姿勢がいちばん表れる場面です。

持ち帰った書面のどこをどの順番で読むかは、契約書チェックの8項目(期間・更新・やめる条件・専属・報酬・禁止事項・SNS・違約金)にまとめています。

「マネージャー」「ディレクター」…肩書きから中身は分かりません

事務所を調べ始めると、いろいろな肩書きに出会います。マネージャー、ディレクター、担当、サポーター。テレビで見る芸能マネージャーのように、スケジュールを管理して現場に付き添う人を想像するかもしれませんが、そうではないことがほとんどです。

前提として、これらの呼び名には資格も共通の定義もありません。同じ肩書きでも、事務所が違えば中身は別物です。よくある使われ方だけ整理しておきます。

呼び名よくある中身想像とずれやすい点
マネージャー連絡の窓口、相談の相手スケジュール管理や現場同行はしないのが普通
ディレクター配信の見せ方への助言役番組のように演出を作ってくれるわけではない
担当・サポーター自分に付く窓口の総称専属とは限らず、大人数を掛け持ちしていることが多い
スカウト勧誘の段階を受け持つ人加入後に支えてくれる人とは別であることが多い

注意したいのは4行目です。応募から面談までのやり取りが感じのいい人だったとしても、その人が加入後の担当になるとは限りません。勧誘と加入後の支援は、別の人が受け持つ体制のほうがむしろ一般的です。

組織側の名乗りも同じです。「ライバー事務所」「プロダクション」「エージェンシー」と看板が違っても、やっていることが同じ場合もあれば、同じ看板で中身が違う場合もあります。肩書きや名称は飾りだと思って、その人・その組織が自分に対して実際に何をするのか、という一点で見てください。

この業界には、まだ「共通ルール」がほとんどありません

最後に、調べ始めた人ほど早く知っておいたほうがいい前提をひとつ書きます。

ライバー事務所を名乗るのに、免許も登録も要りません。開業したその日から、誰でも名乗れます。弁護士や不動産業のような資格制度もなければ、業界全体で共有された標準の契約書や、サポート内容の最低基準のようなものも浸透していません。歴史の浅い業界なので、仕組みが整う前に事務所の数だけが先に増えた、というのが現状です。

ここまで読んで「事務所によって違います」という言葉が何度も出てきたことに気づいたと思います。あれは説明を曖昧にしているのではなく、本当に統一されていないのです。「業界の普通」を検索しても出てこないのは、調べ方が悪いのではなく、まだ「普通」が存在しないからです。

アプリ運営による公認や提携の制度はありますが、あれはアプリとの取引条件を満たしたという意味であって、サポートの質やあなたとの相性を保証するものではありません。公認マークを品質保証と読み替えないでください。

これは「悪い事務所だらけ」という意味ではありません。まじめに運営している事務所が大半です。ただ、外部に物差しがない以上、目の前の一社が信頼できるかどうかは、業界の評判ではなく自分への説明と書面で確かめるしかない、ということです。

見方を変えると

資格も基準もない業界だからこそ、説明の丁寧さと書面の確かさが、そのまま事務所の質を映します。判断材料が少ないのではなく、判断材料が「相手の対応そのもの」に集約されている業界だと考えてください。

よくある質問

費用はかかりますか?

加入者からお金を取る理由は基本的にありません。初期費用・登録料・研修費を請求されたら、その時点で断って構いません。

先に個人で始めて、あとから入ってもいいですか?

むしろその順番をおすすめします。1ヶ月ほどやってみると「何に困るか」が具体的になり、面談で聞くべきことがはっきりします。ただし報酬が貯まっている場合は精算の順番だけ確認してください。

複数の事務所に同時に所属できますか?

アプリの仕様として1人1事務所というのが一般的です。他アプリとの掛け持ちが可能かは事務所によるので、面談で確認してください。別のアプリを足したい場合と、事務所を替えたい場合とで動き方が違う話は、事務所の掛け持ちで場面別に整理しています。

未成年でも入れますか?

アプリ自体に年齢制限があることが多く、事務所もそれに従います。加えて保護者の同意が必要になる場合があります。まずアプリ側の規約を確認してください。

やめたくなったらすぐやめられますか?

事務所によります。だからこそ、入る前にやめ方を確認しておくことが大事です。聞き方は事務所の選び方にまとめています。

この記事のまとめ
  • 事務所は配信者を雇う組織ではなく、アプリと配信者の間に立つ存在
  • 収入源は「運営から事務所への報酬」と「本人からの手数料」の2つ。前者があるから0%でも成立する
  • 芸能事務所と違い、仕事を取ってきてくれる場所ではない
  • 審査・単価・リスナー数は、所属しても変わらない
  • 加入前に報酬の精算が必要な場合がある。順番を必ず確認する

良い面と悪い面はメリットデメリット、入るかどうかの判断はこちらにまとめています。

次に読むなら

始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。

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スカウトDMが来た、契約書を渡された、やめたいのに話が進まない。こういうときは、その場で決めないことがいちばん効きます。判断に困ったら聞いてください。

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ライバーの森 編集部

現役のボイストレーナーと、配信の現場に関わっているメンバーで記事を作っています。収入の断定と、裏の取れない数字は書きません。

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