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ライバー事務所とは?アプリとの関係・収益の仕組みと所属して変わること

更新 2026.10.31文・森野 葉約10分
この記事の内容(13項目)
  1. ライバー事務所とは、アプリと配信者の間に入る組織
  2. 事務所は何で収益を得ているのか
  3. 芸能事務所とは、かなり別物です
  4. 所属すると、具体的に何が変わるのか
  5. 逆に、変わらないこと
  6. 事務所にも種類があります
  7. 加入から配信までの流れ
  8. 事務所に「入れる人・入れない人」はあるのか
  9. 事務所を使わない、という選択肢
  10. 事務所と交わす契約はどういうものか
  11. 「マネージャー」「ディレクター」…肩書きから中身は分かりません
  12. この業界には、まだ「共通ルール」がほとんどありません
  13. よくある質問

「ライバー事務所」という言葉はよく見かけますが、実際に何をしてくれる場所なのかは、外からだとよく分かりません。

芸能事務所を想像すると実態とずれますし、かといって単なる紹介所でもありません。アプリと配信者の間に入り、配信から生まれる報酬で成り立つ組織です。

ライバー事務所とは、アプリと配信者の間に入る組織

ライブ配信アプリには、事務所と提携する制度を持つものがあります。事務所はアプリから公認を受け、所属する配信者(ライバー)の活動をサポートします。

ここで大事なのは、事務所は配信者を「雇っている」わけではないということです。雇用契約でなければ、配信者は個人事業主に近い立場で、事務所とは業務提携のような関係になります。給料が出るわけではなく、配信で発生した報酬が本人に入る、というのが基本の形です。

つまり関係としてはこうなります。

3者の関係

アプリ運営(場と報酬の仕組みを用意する)/配信者(実際に配信する)/事務所(配信者を支え、運営との間に立つ)。事務所は配信者の上司ではなく、間に立つ第三者だと考えると実態に近いです。

事務所は何で収益を得ているのか

ここが一番分かりにくく、そして誤解が多い部分です。主な形は2つあります。

収入源誰が払っているか本人の取り分よくある設定
アプリ運営から事務所への報酬アプリの運営会社減らない制度があるアプリで発生
事務所が設定する手数料配信者本人減る0%にしている事務所が多い

1つ目は、所属ライバーの活動実績に応じてアプリの運営会社から事務所へ支払われるものです。これは運営側の上乗せなので、本人の報酬から引かれるものではありません。

「手数料0%なのに、どうやって儲けているの?」という疑問の答えが、この「アプリ運営から事務所への報酬」です。怪しい話ではありません。

2つ目が、事務所が独自に設定する手数料です。ただし現在は0%にしている事務所が多く、手数料を取る事務所は敬遠されやすい空気があります。

この2つの違いを知っておくと、面談で「その0%は、すべての報酬についてですか」と踏み込んで聞けるようになります。

芸能事務所とは、かなり別物です

芸能事務所のイメージライバー事務所の実際
入り方オーディションで選抜応募して面談
仕事事務所が取ってくる自分で配信する
収入ギャラを分配配信の報酬が本人に入る
拘束強いことが多い比較的ゆるい(事務所による)
やめるとき手続きが重い比較的軽い(要確認)

とくに「仕事を取ってきてもらう場所ではない」というのは、期待とのズレが起きやすい部分です。配信するのはあくまで自分で、事務所はその周りを支える役割だと考えてください。

所属すると、具体的に何が変わるのか

事務所によって差は大きいのですが、共通して挙がるのは次のあたりです。

  • 相談できる相手ができる/配信の設計、伸び悩み、トラブル。ひとりで抱えなくてよくなります。
  • 個人ではできない実務を任せられる/たとえばファンからの荷物を受け取る場合、個人だと自宅の住所を教えるしかありません。事務所があれば、そこで受け取れます。
  • イベントに参加しやすくなる/アプリ主催のイベントで事務所枠が用意されることがあります。
  • 始め方の設計を一緒に考えてもらえる/配信の曜日・時間、プロフィール、最初の数回の使い方。知っているかどうかだけで差が出る部分です。

逆に、変わらないこと

  • 審査に受かりやすくなるわけではない/審査の基準はアプリ側が決めるもので、事務所が変えられるものではありません。ここを「事務所に入れば受かる」と説明する相手には注意してください。
  • 報酬の単価が上がるわけではない/アプリが決めている仕組みなので、所属の前後で本人の単価が変わることは基本的にありません。
  • リスナーが増えるわけではない/事務所のSNSに載ることはあっても、それだけで人は集まりません。
  • 配信の中身を代わりにやってもらえるわけではない/話すのも歌うのも自分です。

事務所にも種類があります

ひとくちに事務所と言っても、性格が違います。募集ページを読むときの参考にしてください。

タイプ特徴向いている人
単一アプリ特化型1つのアプリに集中。仕様に詳しいやるアプリが決まっている人
総合型複数アプリに対応。規模が大きいことが多いアプリを決めきれていない人
ジャンル特化型歌・ゲーム・Vライバーなど軸がある見せられるものが決まっている人
母体があるタイプ教室・スタジオなど本業を持つ本業側の資源を使いたい人

規模の大小より、自分がやりたいことと軸が合っているかのほうが効きます。

ここまで読んで、自分のケースが判断できないと感じたら、LINEで聞いてください。

LINEで相談する

加入から配信までの流れ

  1. 事務所を探して応募するフォームやLINEから応募します。この時点でのやり取りの速さと丁寧さも、判断材料になります。
  2. 面談を受けるオンラインで受けられる事務所もあります。ここで条件を確認します。面談=加入ではありません。持ち帰って構いません。
  3. 加入の手続きをするアプリ側で事務所に加入申請を出し、事務所が承認する形のアプリがあります。⚠️すでに報酬が貯まっている場合は、先に精算が必要なことがあります。加入の前に、精算と加入のどちらが先かを事務所に聞いてください。
  4. アプリの審査を受ける審査があるアプリでは、ここで本人が申請します。事務所が代わりに受けてくれるわけではありません。
  5. 配信を始める最初の数回が評価対象になるアプリもあります。勢いで始めず、日程を決めてからのほうが確実です。

事務所に「入れる人・入れない人」はあるのか

オーディションのような選抜とは限らず、応募したあとの面談で、双方が合うかを見る流れの事務所もあります。

ただし、まったく審査がないわけでもありません。事務所側が見ているのは、だいたい次の3点です。

  • 継続できそうか/週にどれくらい時間を取れるか。ここがゼロに近いと、事務所側も支えようがありません。
  • 連絡が取れるか/返事が来ない人は、サポートのしようがありません。
  • 規約を守れそうか/アプリの規約違反は事務所全体に影響します。ここは厳しめに見られます。

逆に言うと、配信がうまい必要も、フォロワーが多い必要もありません。未経験から始める人が中心です。「自分なんて」と思って応募しない理由にはならない、というのは知っておいてください。

なお、アプリ側の審査は事務所の審査とは別物です。所属していても、アプリの審査は本人が受けます。

たとえばポコチャの審査は、基準も所要日数も公表されていません。結果を待つ間にやっておくと無駄にならないことはポコチャの始め方で挙げています。

事務所を使わない、という選択肢

事務所の役割を知ったうえで、あえて入らない選択もあります。個人でやる場合、事務所の機能はこう代替できます。

事務所の機能個人での代替代替のしやすさ
相談相手配信者どうしのつながり、SNSできる(合う相手が見つかれば)
始め方の設計情報サイト、先輩配信者に聞くできる(時間はかかる)
イベント参加個人枠で応募するだいたいできる
贈り物の受け取り受け取らない/代行サービス費用か我慢が必要
トラブル対応自分で判断、必要なら警察できるが精神的にきつい

表のうち、贈り物の受け取り以外は、個人でも代わりの手段があります。個人で詰まるのは「贈り物の受け取り」で、ここは自宅の住所を出すか、費用を払うか、諦めるかの三択になります。

逆に言えば、その悩みが無いうちは、無理に入る必要はありません。

事務所と交わす契約はどういうものか

契約の形は事務所によって違いますが、書面を交わす場合と、加入時の規約同意で成立する場合があります。どちらであっても、確認すべき点は同じです。

確認する項目なぜ必要か
契約期間の有無縛りがあると、合わなかったときに動けない
解除の手続きと日数やめると伝えてから完了までの流れ
手数料の対象範囲「0%」が何に対してなのか
報酬の支払い方法と時期いつ・どうやって受け取るのか
掛け持ちの可否他アプリ・他事務所と並行できるか
秘密保持・肖像の扱い写真や配信内容をどこまで使われるか
その場で署名しない

契約書を見せてくれない、あるいは持ち帰らせてくれない事務所は、その時点で候補から外して構いません。読む時間をくれるかどうかは、相手の姿勢がいちばん表れる場面です。

持ち帰った書面のどこをどの順番で読むかは、契約書チェックの8項目(期間・更新・やめる条件・専属・報酬・禁止事項・SNS・違約金)にまとめています。

「マネージャー」「ディレクター」…肩書きから中身は分かりません

事務所を調べ始めると、いろいろな肩書きに出会います。マネージャー、ディレクター、担当、サポーター。テレビで見る芸能マネージャーのように、スケジュールを管理して現場に付き添う人を想像するかもしれませんが、そうした役割とは限りません。

前提として、これらの呼び名には資格も共通の定義もありません。同じ肩書きでも、事務所が違えば中身は別物です。使われ方の例を並べます。

呼び名よくある中身想像とずれやすい点
マネージャー連絡の窓口、相談の相手スケジュール管理や現場同行はしないのが普通
ディレクター配信の見せ方への助言役番組のように演出を作ってくれるわけではない
担当・サポーター自分に付く窓口の総称専属とは限らず、大人数を掛け持ちしていることが多い
スカウト勧誘の段階を受け持つ人加入後に支えてくれる人とは別であることが多い

注意したいのは4行目です。応募から面談までのやり取りが感じのいい人だったとしても、その人が加入後の担当になる約束はありません。勧誘と加入後の支援を、別の人が受け持つ事務所もあります。

組織側の名乗りも同じです。「ライバー事務所」「プロダクション」「エージェンシー」と看板が違っても、やっていることが同じ場合もあれば、同じ看板で中身が違う場合もあります。肩書きや名称は飾りだと思って、その人・その組織が自分に対して実際に何をするのか、という一点で見てください。

この業界には、まだ「共通ルール」がほとんどありません

最後に、調べ始めた人ほど早く知っておいたほうがいい前提をひとつ書きます。

ライバー事務所を名乗るのに、免許も登録も要りません。開業したその日から、誰でも名乗れます。弁護士や不動産業のような資格制度もなければ、業界全体で共有された標準の契約書や、サポート内容の最低基準のようなものも浸透していません。

条件が事務所ごとに違うのは、業界で共通の基準がまだないからです。

アプリ運営による公認や提携の制度はありますが、あれはアプリとの取引条件を満たしたという意味であって、サポートの質やあなたとの相性を保証するものではありません。公認マークを品質保証と読み替えないでください。

外部に物差しがない以上、目の前の一社が信頼できるかどうかは、業界の評判ではなく自分への説明と書面で確かめるしかない、ということです。

見方を変えると

資格も基準もない業界だからこそ、説明の丁寧さと書面の確かさが、そのまま事務所の質を映します。判断材料が少ないのではなく、判断材料が「相手の対応そのもの」に集約されている業界だと考えてください。

よくある質問

費用はかかりますか?

加入者からお金を取る理由は基本的にありません。初期費用・登録料・研修費を請求されたら、その時点で断って構いません。

先に個人で始めて、あとから入ってもいいですか?

むしろその順番をおすすめします。1ヶ月ほどやってみると「何に困るか」が具体的になり、面談で聞くべきことがはっきりします。ただし報酬が貯まっている場合は精算の順番だけ確認してください。

複数の事務所に同時に所属できますか?

同じアプリで2つの事務所に同時に所属できるかは、アプリの仕組みと契約で決まります。他アプリとの掛け持ちができるかは事務所によるので、面談で確認してください。別のアプリを足したい場合と、事務所を替えたい場合の動き方の違いは、「専属」とは何を縛る言葉かに場面別にあります。

未成年でも入れますか?

アプリ自体に年齢制限があることが多く、事務所もそれに従います。加えて保護者の同意が必要になる場合があります。まずアプリ側の規約を確認してください。

やめたくなったらすぐやめられますか?

事務所によります。だからこそ、入る前にやめ方を確認しておくことが大事です。聞き方は事務所の選び方にまとめています。

この記事のまとめ
  • 事務所は配信者を雇う組織ではなく、アプリと配信者の間に立つ存在
  • 収入源は「運営から事務所への報酬」と「本人からの手数料」の2つ。前者があるから0%でも成立する
  • 芸能事務所と違い、仕事を取ってきてくれる場所ではない
  • 審査・単価・リスナー数は、所属しても変わらない
  • 加入前に報酬の精算が必要な場合がある。順番を事務所に聞く

良い面と悪い面、入るかどうかの判断はライバー事務所に入るべきか、契約前に確かめる項目はライバー事務所の選び方にあります。

事務所のことで迷ったら

スカウトDMが来た、契約書を渡された、やめたいのに話が進まない。こういうときは、その場で決めないことがいちばん効きます。判断に困ったら聞いてください。

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森野 葉(もりの よう)/ライバーの森 編集

配信アプリの公式ヘルプと利用規約を毎月読み直し、記事の数字を更新しています。歌と発声の話は、現役のボイストレーナーが確かめています。

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