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IRIAMの事務所|「キャラクターは誰のものか」を契約前に確認する

公開 2026.09.03読了 約10分監修:現役ボイストレーナー

IRIAMの事務所を調べている人の多くが、勧誘やスカウトの中で「キャラクターはこちらで用意します」という言葉を目にしています。イラストもモデルも作ってもらえるなら、始められない理由がなくなる。魅力的な話に見えます。

実際、これは悪い話とは限りません。IRIAMで配信を始めるいちばんの壁はキャラクターの準備で、そこを事務所が引き受けてくれるのは、本当に助かる形です。

ただし、この形には他のアプリの事務所選びにはない論点がひとつ増えます。そのキャラクターは、誰のものか。この記事は、その一点を契約前に確認するための記事です。

先に結論

事務所がキャラクターを用意してくれる場合、退所したあともそのキャラクターを使えるかどうかは、法律で自動的に決まるのではなく、契約の内容で決まります。だから、契約する前に書面で確認してください。ここを曖昧にしたまま入ると、やめるときにキャラクターごと活動を失うことがあります。

IRIAMの事務所選びだけにある論点

ライバー事務所に入るかどうかの一般論は個人と事務所の比較にまとめてあり、IRIAMでも基本は同じです。手数料と自由を渡して、支援と相談先を得る取引です。

ただ、IRIAMには他のアプリにない事情があります。配信にキャラクター、つまりイラストとそれを動かすモデルが必要だという点です。IRIAMの評判でも書いた通り、ここが始める前のいちばんの壁になっています。

そこで、事務所側が「イラストとモデルの制作費を負担します」という形で募集をかけることがあります。始める側から見れば、壁を取り除いてくれるありがたい仕組みです。同時に、お金を出してもらって作られたものが誰のものなのか、という論点がここで生まれます。顔出し配信では起きない、キャラクター配信ならではの問題です。

「キャラクターは誰のものか」に、決まった答えはない

先に、この記事が何を書かないかをはっきりさせておきます。「制作費を出した側のものになります」とか「描いた絵師のものです」といった断定は書きません。書けないからです。

権利の扱いは、事務所とあなたの契約、そして事務所と絵師やモデラーの間の取り決めによって変わります。「一般にはこうなる」という思い込みがいちばん危険で、答えは自分の契約書の中にしかありません。

だからこの記事で繰り返すことはひとつだけです。契約する前に、書面でどう書かれているかを確認する。書かれていないなら、書いてもらう。それだけです。

口頭の説明だけで進めない

「退所しても使えますよ」と口頭で言われても、担当者が変われば話も変わります。残るのは書面だけです。契約書に書いていない場合は、メールやメッセージなど、あとから読み返せる形で回答をもらってください。

契約前に確認する4つのこと

確認することは多くありません。次の4つを、この順番で確認してください。

  1. 制作費は誰が負担したのか事務所の全額負担か、あなたの報酬からの天引きか、折半か。「無料」に見えて、実は報酬から回収される形もあります。どの形かで、話の前提が変わります。
  2. 退所後もキャラクターを使えるのかいちばん大事な質問です。「退所した場合、このキャラクターで配信を続けられますか」と、そのまま聞いてください。
  3. 使えない場合、何が残るのかキャラクターが使えないなら、アカウントは残るのか、活動名は使えるのか。失うものの範囲を、入る前に知っておきます。
  4. それが契約書のどこに書いてあるか口頭の回答で終わらせず、該当する条項の場所を聞きます。書いていないなら、その回答を残る形でもらいます。

この4つを聞いて、嫌な顔をされたり、はぐらかされたりしたら、それ自体が大事な判断材料です。まっとうな事務所なら、聞かれ慣れている質問のはずです。

キャラクターを失うと、何が起きるか

「使えなくなっても、また作ればいい」と思うかもしれません。ここは、想像より重い話です。

残るもの失うもの
アカウントとフォロワー数リスナーが覚えている「見た目」
あなたの声と話し方声と見た目の結びつき
配信の習慣とスキルサムネイルで見つけてもらえる目印

IRIAMのリスナーは、あなたを「声」と「キャラクターの見た目」のセットで覚えています。フォロワーの数字がアカウントに残っていても、見た目が変われば、リスナーにとっては別人に見えることがあります。配信一覧で見つけてもらえなくなり、常連が「知らない人だ」と通り過ぎる。積み上げたものの一部が、そこで切れます。

もちろん、声でつながっていた常連は残りやすいですし、事前に説明すればついてきてくれる人も多い。ゼロになるわけではありません。ただ、「アカウントが残るからキャラクターは失っても平気」とは言えない、という点だけは押さえておいてください。アカウント自体の扱いは退所したあとどうなるかで詳しく書いています。

自分で用意した場合との違い

比べると、論点の場所が違うことが分かります。

自分で絵師に依頼事務所が用意
費用自分で払います事務所が負担する形があります
確認する相手絵師・モデラー事務所(と、その先の絵師)
退所したら事務所と関係なく使える形にしやすい契約次第です
確認する書面依頼時の利用条件所属契約書

2行目が要点です。自分で依頼した場合も、商用利用の範囲や改変の可否など、絵師との間で確認することはあります。ただしそれは事務所との契約とは無関係なので、事務所をやめてもキャラクターが道連れにならない形を、自分で作れます。絵師さんとの間で確認することの中身はIRIAMのイラスト依頼にまとめています。

だから「先に個人で始めて、キャラクターを自分のものとして持ってから事務所を検討する」という順番には、費用を自分で払う以上の意味があります。すでに自分のキャラクターがある人が事務所に入る場合は、逆に「今のキャラクターをそのまま使えますか」を確認してください。個人で始める場合の手順はIRIAMの始め方で説明しています。

名前も、同じ論点です

見落とされがちですが、活動名にも同じ話が当てはまります。

  • 事務所が付けた名前か、自分で付けた名前か/どちらなのかで、まず整理が変わります。
  • 退所後もその名前で活動できるか/キャラクターと同じく、契約でどう扱われるかを確認します。
  • 事務所名を冠していないか/「◯◯プロダクションの△△」のような名乗りは、退所後にそのまま使いにくくなります。

名前は検索の入り口です。リスナーがあなたを探すときの手がかりなので、キャラクターの権利を確認するときは、名前の扱いも同じ場で聞いてしまうのが効率的です。

事務所に入る利点と不利点(短く)

ここまで読むと事務所が怖いものに見えるかもしれませんが、そうではありません。キャラクターの費用負担に加えて、進め方を教えてもらえる、相談相手ができる、企画を紹介してもらえる。ひとりで始めるのがつらい人には、実際に価値があります。

一方で、手数料が引かれ、配信頻度などの条件がつき、やめるときに手続きが要る。取引として釣り合っているかを、自分の状況で判断することに尽きます。この比較の詳細は個人と事務所の比較に、選ぶ基準は事務所の選び方にまとめてあるので、ここでは繰り返しません。

手数料とキャラクター費用は、セットで見る

手数料の相場は当サイトでは書きません。数字の見方そのものは手数料の考え方にまとめています。ここではIRIAM特有の見方をひとつだけ。

事務所がキャラクターの制作費を負担する場合、その回収がどこかに織り込まれていると考えて、契約全体を眺めてください。手数料の割合か、契約期間の長さか、途中でやめた場合の扱いか。「キャラクター無料」は、契約のどこで釣り合いを取っているのかを探しながら読む言葉です。それが悪いという話ではなく、どこにあるか分からないまま署名しない、という話です。

先にお金を請求されたら断る

「キャラクター制作費として先に◯万円」のように、加入する側が先に支払う形は、この記事の話とは別物です。費用を請求されたら断ってください。手口の型は悪質な事務所の手口にまとめています。

契約前に聞く質問リスト

面談やDMのやり取りで、そのまま使える形にしておきます。

  • 「キャラクターの制作費はどちらが負担しますか」/全額か、天引きか、折半か。
  • 「退所した場合、このキャラクターは使えますか」/この記事の中心の質問です。
  • 「使えない場合、アカウントと活動名はどうなりますか」/失う範囲の確認です。
  • 「その内容は契約書のどこに書いてありますか」/口頭で終わらせないための質問です。
  • 「契約書の写しを、契約前にもらえますか」/持ち帰って読ませない事務所は、それだけで候補から外して構いません。
  • 「やめるときの手順を教えてください」/やめ方を先に説明できる相手かどうかは、信頼の目安になります。
  • 「他のアプリとの掛け持ちはできますか」/あとから言われると困る条件の代表です。

質問の数が多いと感じるかもしれませんが、全部で5分もかかりません。この5分を惜しんだ結果が、退所時に活動ごと失うことだとしたら、割に合いません。

すでに契約している場合

この記事を、契約したあとに読んでいる人もいるはずです。手遅れではありません。

  1. 契約書を読み直すキャラクター、イラスト、モデル、名称、権利、退所といった言葉を目印に探します。手元にない場合は写しを請求してください。
  2. 書いていなければ、文字で質問する「退所した場合、キャラクターの扱いはどうなりますか」とメッセージで聞き、回答を保存します。
  3. 納得できない内容なら、外部に相談する契約の内容が妥当かどうかは、ひとりで判断しなくて構いません。契約書を持って、消費生活センターに無料で相談できます。

やってはいけないのは、感情のまま「やめます」と先に宣言することです。キャラクターの扱いを確認する前にやめてしまうと、交渉の余地が狭くなります。

退所・移籍を考えるときの順番

いずれやめる・移るとなったときも、IRIAMでは順番の最初に来るのがキャラクターです。

  • まずキャラクターと名前の扱いを確認する/退所を切り出す前に、契約書で確認します。
  • アカウント・最後の報酬・次の所属の3点を確認する/この3つは退所したあとどうなるかにまとめてあります。
  • 移籍なら、順番を設計する/今の事務所を先にやめるか、次を先に決めるか。手順は移籍の手順へ。

キャラクターを引き継げない移籍は、実質的に「新しいキャラクターで始め直す」ことになります。それでも移る価値があるか、という視点で判断してください。

よくある質問

事務所がお金を出したなら、事務所のものになるのが普通では?

「普通はこうなる」という決まった答えはありません。契約でどう定めたかがすべてです。だからこそ、契約前に書面を確認する意味があります。

退所後もキャラクターを使いたい場合、買い取ることはできますか?

契約と交渉次第です。買い取りの条件が最初から契約に書かれている場合もあります。交渉するなら、結果を必ず書面に残してください。

口頭で「退所後も使っていい」と言われました。

その回答を、メールやメッセージなど残る形でもらい直してください。担当者が変わると、口頭の約束は引き継がれないことがあります。

自分で絵師に依頼すれば、権利の心配はなくなりますか?

事務所との間の論点は消えますが、絵師との間で利用範囲(商用利用・改変など)の確認は必要です。確認する相手が事務所から絵師に変わる、と考えてください。

キャラクターが変わったら、リスナーは離れますか?

声でつながっている常連は残りやすいですが、見た目で覚えていた人には別人に見えることがあります。変わる前に、自分の言葉で事前に説明しておくのがいちばんの対策です。

「キャラクター無料」をうたう事務所は怪しいですか?

それだけでは判断できません。まっとうな投資として負担している事務所もあります。見るのは、その負担の見返りが契約のどこにあるかです。先に費用を請求された場合だけは、断ってください。

契約書を見せてもらえないまま、契約を急かされています。

その時点で見送って構いません。持ち帰って読ませない相手と、権利の話を曖昧なまま進めてはいけません。不安な場合は消費生活センターに相談できます。

この記事のまとめ
  • IRIAMの事務所選びには「キャラクターは誰のものか」という独自の論点がある
  • 答えは法律で自動的に決まらない。契約で決まるので、書面を確認する
  • 確認は4つ。制作費の負担・退所後の使用・失う範囲・書面の場所
  • フォロワーが残っても、見た目が変わればリスナーには別人に見えることがある
  • 活動名も同じ論点。キャラクターと一緒に確認する
  • 納得できない契約は、消費生活センターに無料で相談できる

入るかどうかの判断は個人と事務所の比較、事務所の見極めは事務所の選び方をどうぞ。IRIAMそのものの収入の仕組みはIRIAMは稼げるのかにまとめています。

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始める前につまずきやすいのは、アプリ選びと事務所選びの2つです。どちらも、決めてから気づくと戻るのが大変なところです。

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ライバーの森 編集部

現役のボイストレーナーと、配信の現場に関わっているメンバーで記事を作っています。収入の断定と、裏の取れない数字は書きません。

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