ライバーが扶養から外れるのはいくらから?税と社会保険で別の基準
この記事の内容(11項目)
「扶養から外れるのはいくらから」の答えは1つではありません。本人の所得税、家族の扶養控除(税の扶養)、社会保険の扶養の3つがあり、2026年の収入では次の基準で見ます。
| 何の話か | 2026年の収入の基準 | 判定するのは |
|---|---|---|
| 本人の所得税 | 令和8年分は基礎控除が104万円(合計所得489万円以下)。所得が基礎控除などを超えると所得税がかかる | 自分(確定申告) |
| 税の扶養(家族の扶養控除) | 令和8年分は、扶養親族(配偶者以外)の合計所得が62万円以下。配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除の要件が別 | 家族の年末調整・確定申告 |
| 社会保険の扶養 | いわゆる「130万円の壁」。税とは別の制度で、基準額は家族の勤務先の健康保険組合が判定し、組合ごとに違う | 家族の勤務先の健保組合 |
2行目と3行目は別の制度です。税の扶養に入ったままでも、社会保険の扶養からは外れている、ということが起こります。税の判定は、振込額ではなく収入から経費を引いた所得で見ます。社会保険の扶養は別の制度で、収入の数え方・経費の扱い・基準額は加入先の健康保険組合が判定します。
令和7年分と令和8年分・令和9年分で、税の数字が違います
税の基準は令和7年度と令和8年度の税制改正で続けて変わりました。令和8年分の金額は令和8年12月1日施行の改正によるもので、令和8年分と令和9年分に使います。
| 項目 | 2025年の収入 | 2026年・2027年の収入 |
|---|---|---|
| 扶養親族(配偶者以外)の合計所得の要件 | 令和7年分は58万円以下 | 令和8年分・令和9年分は62万円以下 |
| 基礎控除(合計所得132万円以下) | 令和7年分は95万円 | 令和8年分・令和9年分は104万円 |
| 基礎控除(合計所得132万円超〜336万円以下) | 令和7年分は88万円 | 令和8年分・令和9年分は104万円(合計所得489万円以下まで同じ) |
| 給与所得控除の最低額 | 令和7年分は65万円 | 令和8年分・令和9年分は74万円 |
出典は国税庁の「扶養控除」、「基礎控除」、「給与所得控除」です。基礎控除は所得の帯で変わり、表より上の帯もあります。令和10年分以後は、基礎控除の額がまた変わります。
1行目が、家族があなたを扶養控除の対象にできるかの数字です。2026年の収入(令和8年分)なら、経費を引いた合計所得が62万円以下かどうかを見ます。
「103万円の壁」はいまどうなったか
「103万円」は改正前の、給与だけの人が所得税のかからない年収の目安でした。給与所得控除の最低額と基礎控除を合わせた額です。
令和7年分は、給与所得控除の最低額65万円と、合計所得132万円以下の基礎控除95万円を合わせた年収160万円が、給与だけの人の課税最低限とされていました。令和8年分の同じ目安の金額は、国税庁のタックスアンサーに載っていません。
どちらの数字も「給与だけの人」の話です。給与所得控除は給与にだけ引かれるもので、配信アプリからの報酬を給与として受け取っていないなら、代わりに経費を引きます。パート向けの「年収いくらまで」という早見表を、配信の収入に当てはめないでください。
判定に使うのは振込額ではなく、収入から経費を引いた所得
| 言葉 | 中身 |
|---|---|
| 収入 | 1年分の報酬額の合計。源泉徴収で差し引かれる前の額で、口座に入った額ではない |
| 経費 | 配信のために使ったお金(マイク、通信費のうち配信の分など) |
| 所得 | 収入 − 経費。税の扶養の判定に使う数字 |
3行目で判定します。振込の合計では基準を超えていても、所得では超えていないことがあります。支出の内容が分かる記録は、捨てずに残してください。レシートが無くても、購入履歴や銀行・カードの明細で説明できる場合があります。何が経費になるかはライバーの経費に、確定申告が要るかの判断はライバーの確定申告はいくらからにまとめています。
アルバイトの給与と配信を両方している場合は、合算して見る
学生でアルバイトをしながら、パートのかたわら配信をしている場合は、給与と配信の所得を合わせて考えます。
- 給与の収入をまとめるアルバイト先・パート先の1〜12月の給与。源泉徴収票や給与明細で分かります。
- 配信の所得を出す源泉徴収で差し引かれる前の報酬額の合計から経費を引きます。口座に入った額ではありません。アプリが複数あるなら全部足します。
- 給与所得を出して合算する給与には給与所得控除、配信には経費という別のルールで所得を出してから足します。不安ならこの段階で税務署に聞きます。
- 家族に伝える合算した見通しは、扶養している家族の年末調整に関わります。配偶者の扶養に入っている人は、配偶者控除・配偶者特別控除の要件で見ます。
令和7年度の改正で特定親族特別控除ができました。19歳以上23歳未満の親族が対象で、この年齢の人の配信の所得は、扶養している家族のこの控除の判定にも関わります。要件と金額は国税庁の令和7年度税制改正の案内に載っています。学生には勤労学生控除という制度もあります。
社会保険の扶養は、家族の勤務先の健保組合が決めます
社会保険の扶養は、あなたが保険料を払わずに家族の健康保険に入っていられるかの話で、税制改正の対象ではありません。いわゆる「130万円の壁」と呼ばれる基準ですが、扶養として認めるかの基準を定め、判定するのは家族の勤務先が加入している健保組合(健康保険組合や協会などの保険者)で、細かいルールは組合ごとに違います。
| 税の扶養 | 社会保険の扶養 | |
|---|---|---|
| 何の仕組みか | 扶養する家族の税金が軽くなる | あなたが家族の健康保険に入れる |
| 基準を決めるのは | 法律。全国一律 | 家族の勤務先の健保組合 |
| 何で見るか | 1月〜12月の結果の所得 | 今後の収入の見込みで見る運用がある |
| 経費の扱い | 経費を引いた所得 | どこまで引いて見るかは組合ごと |
| 外れると | 家族の税金が増える | あなたが保険料を毎月払う |
3行目と4行目が税と大きく違う点です。社会保険では、年の途中でも収入が続く見込みと判断されれば外れることがあります。「12月までに調整すれば間に合う」という税の感覚は、社会保険では通じません。また、税の計算では経費を引けば収まっていても、組合の判定では超えていることがあります。
配信の収入は、イベントで跳ねる月と動かない月があります。跳ねた月を今後の見込みの根拠にするかどうかは組合の運用によります。年間でならせば収まると自己判断せず、跳ねた月は事情と一緒に伝えてください。
外れると、誰に何が起きるか
| 誰に | 起こり得ること |
|---|---|
| あなた本人 | 所得税・住民税がかかり始める。社会保険の扶養を外れると、次に入る保険・年金の手続きと保険料が発生する |
| 扶養している家族 | 扶養控除・配偶者控除などが使えなくなるか減り、家族の税金が増えることがある。配偶者特別控除のように段階的に減るものもある |
| 家族の勤務先 | 家族手当が扶養を条件にしていれば、支給が止まることがある |
1行目の保険料は、一度きりの精算ではなく毎月続く支出です。税の負担は超えた分に応じて増えるものが中心ですが、社会保険は外れた時点で保険料がまとまって発生します。そのため、基準を少しだけ超えると、増えた収入より新しい負担のほうが大きくなる帯があります。扶養内に収めるか、負担を吸収できるほど超えるかを、増える収入と増える負担の両方を数字にして家族と比べて決めてください。次に入る保険・年金と手続きは加入先の案内で確かめます。国民健康保険に入る場合、保険料は住んでいる市区町村の案内で見積もれます。
秋までに一度、見通しを数字にする
税の扶養は1月〜12月の結果で、社会保険は見込みで動くことがあります。どちらにしても、12月に気づいてからでは打てる手が残りません。9月か10月に1時間、次の手順を入れておいてください。
- 今年の入金を合計する1月から先月まで、アプリごとの明細を全部足します。
- 経費をざっくり集計するこの時点では月ごとのレシートを眺める程度で足ります。
- 残りの月を見積もる直近3ヶ月の平均で仮置きし、年末のイベントで増えそうなら多めに見ます。
- その年分の基準と比べる2026年の収入なら令和8年分の表の数字。社会保険は次の4つの質問で組合に聞きます。
家族の勤務先を通じて健保組合に聞く4つの質問
社会保険の扶養の確認と手続きは、加入先の健康保険組合の案内に沿って進めます。窓口は家族の勤務先(総務や人事)か、組合の案内にある問い合わせ先です。次の4つをメモにして家族に渡すと、答えが具体的になります。収入の見通しが変わった時点で、その都度相談します。
- 給与ではない収入の扱い/配信アプリからの報酬のような給与ではない収入は、扶養の判定でどう扱いますか。
- 経費の扱い/収入から経費を引いた金額で見ますか。引ける経費の範囲に決まりはありますか。
- 波のある収入の見方/月ごとの変動が大きい場合、どの期間のどの数字で判定しますか。
- 外れた場合の道筋/外れたらどんな手続きが要りますか。収入が下がったら、また扶養に入れますか。
4つ目まで聞いておくと、外れても戻る道があるかが分かり、扶養内に収めるかどうかを落ち着いて決められます。
家族には、数字を持って先に話す
家族は年末調整で「あなたを扶養している」と勤務先に申告しています。あなたの所得が要件を超えていたことが後から分かると、家族は手続きのやり直しになり、追加の納税が出ることもあります。社会保険でも、さかのぼって資格を取り消されると、扶養のまま受けた医療費の精算を求められることがあります。黙っていた期間が長いほど、さかのぼる額と手間は大きくなります。
- 数字を持って話す/配信の収入がいくらで、経費を引くといくらか。数字があると話が感情論になりにくくなります。
- 秋の計算の直後に話す/見通しが立った時点なら、家族の年末調整にも間に合います。
- 超えそうなら、どうするかを一緒に決める/扶養内に収めるか、超える前提で手続きするか。
アプリからの支払いは支払った側の記録に残り、扶養の食い違いは家族の勤務先を通じて家族に伝わります。会社や家族に知られる経路そのものは副業が会社にバレる経路で説明しています。
相談できる場所
- 税務署/本人の所得税と税の扶養、所得の計算。無料で相談できます。
- 家族の勤務先→健保組合/社会保険の扶養の基準額と家族手当。基準を持っているのはここだけです。
- 市区町村の窓口/住民税と、国民健康保険に入るときの手続きと保険料。
- 年金事務所/扶養を外れた後の年金の手続き。
よくある質問
「103万円の壁」で、2026年の収入を判断できますか?
できません。103万円は改正前、160万円は令和7年分の、どちらも給与だけの人の所得税がかからない年収の目安です。2026年の収入は令和8年分の表の数字で、税の扶養なら合計所得の要件を見ます。
1円でも超えたら、すぐに全部が変わりますか?
扶養控除のように要件を超えると使えなくなるものと、配偶者特別控除のように段階的に減るものがあります。超えそうな段階で税務署に聞くと、どちらに当たるかが分かります。
開業届を出したら扶養から外れますか?
税の扶養は所得で判定するので、開業届を出しただけでは決まりません。社会保険は、自営業の扱いに独自のルールを持つ組合があるので、出す前に家族の勤務先を通じて聞いてください。届け出の意味は開業届は必要かにあります。
換金せずにアプリ内に残していれば、収入になりませんか?
アプリ内の残高の扱いは、仕組みや契約で変わります。換金しなければ大丈夫と決めず、残高と換金の履歴を保存して税務署に聞いてください。
主婦で配信を始めたばかりです。今から気にするべきですか?
収入が小さいうちは、月ごとの入金をメモする習慣だけ先につけてください。伸びてきたときに、秋の手順がそのまま使えます。アプリの選び方は主婦が配信アプリを選ぶときにあります。
税の金額は国税庁の案内で、社会保険の扶養の基準は家族の勤務先の健保組合で、その年の最新を確認してください。
身バレ、確定申告、荒らし、続かない。配信を始めてから出てくる困りごとは、調べても答えが出ないものが多いです。
LINEで相談する